可視近赤外分光によるキャベツ鮮度評価法

タイトル 可視近赤外分光によるキャベツ鮮度評価法
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
研究期間 2012~2013
研究担当者 池羽田晶文
源川拓磨
宮本愛子
中島周作
松原和也
和田有史
増田知尋
羅せん
発行年度 2020
要約 低価格な可視近赤外分光センサーにより、キャベツの鮮度(貯蔵期間)を評価する手法である。丸玉キャベツの外葉、または芯の切り口の計測で迅速かつ客観的に評価でき、流通の効率化、フードロス削減等に有効である。
キーワード キャベツ、カット野菜、小型可視-近赤外分光センサー、鮮度評価
背景・ねらい 野菜の鮮度は消費者が購入の際に最も重要視するポイントである。しかしこれを客観的に数値化する方法は確立していない。そこで、本研究ではキャベツの鮮度劣化(時間経過)を分光センサーで数値化する際に必要な条件等を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.丸玉キャベツに照射した光の透過反射スペクトルから貯蔵期間の推定を試みると、外葉の黄化や芯の褐変や水分変化に係る波長(可視・近赤外領域)が選出される(図1、発表論文1)。
2.これをもとに、小型で廉価な可視-近赤外分光センサーを用いたキャベツ評価用装置を構築できる(図2)。同様な仕様の評価用装置に比べて価格を20 %以下に抑えられる。
3.キャベツ評価用装置には白色光源を具備し、さらに量産する際の機差低減と位置平均による精度向上を目的として、合計4台の分光センサーを搭載する。
4.丸玉キャベツの非接触、3秒以内の迅速測定にて、貯蔵日数推定における標準誤差(RMSE)は約6日である(図3)。
5.カットキャベツ等の加工前段では作業員の目視による外葉の除去が行われるが、このような視覚鮮度は画像の輝度分布を用いることで数値化可能であり、かつ水分含量とも明確な相関がある(発表論文2)。したがって上記装置とデジタルカメラを併用することで、歩留まりを向上できる可能性がある。
成果の活用面・留意点 1.野菜の鮮度劣化(時間経過)を客観的に数値化する装置の可能性が示されたことで、適正な価格取引や食品ロスの低減が期待できる。
2.加工済みカットキャベツについてもパッケージ上から評価可能であることを確認済みであり、店頭での商材管理にも利用できる。
3.加工用の原料の合否判定に利用可能だが、作業工程に合わせた調整(装置の最適化、データ取得と検量モデルの再構築)が必要である。
図表1 244712-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nfri/2020/nfri20_s10.html
カテゴリ 加工 キャベツ 評価法

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