タイトル | 長期輸送、貯蔵に適したイチゴ品種選抜方法 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 |
研究期間 | 2019~2020 |
研究担当者 |
杉野直輝 渡邊高志 中村宣貴 北澤裕明 |
発行年度 | 2021 |
要約 | 定量的につけた傷により、イチゴの長期貯蔵性を評価する。イチゴの傷つきやすさや、軽度な傷による品質劣化加速程度を評価することで、長期輸送、貯蔵に適した品種の選抜が可能である。 |
キーワード | イチゴ、物理損傷、質量減少、品種間差 |
背景・ねらい | 国産イチゴのアジアへの輸出量は年々増加しており、世界的な需要は高まっている。しかしイチゴはやわらかく、ハンドリング時の落下衝撃等による損傷を完全に防ぐことは困難である。大きな傷がイチゴの経済価値を著しく落とすことは勿論、軽度な傷であっても、その後の品質劣化の加速(棚持ち期間の短縮)をもたらすことが危惧されている。一方で、イチゴのかたさや内部品質には品種間で大きな差がある。また、質量減少(目減り)は、外観の萎れなどにも影響するため、一般的に品質劣化の指標として用いられる。 適切な品種を選抜することにより、イチゴの損傷しやすさや軽度損傷による品質劣化加速を抑制できる可能性がある。そこで、本研究ではイチゴ3品種に対して定量的に2段階の損傷を与え、各品種の傷つきやすさを考察するとともに、貯蔵後の質量減少を調査することにより、軽度損傷による品質劣化加速の品種間差について分析する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 万能物性試験機の圧縮操作により押し傷を再現するため、生産者の目視で熟度をそろえたイチゴ品種A、B、Cの赤道部を高さ5、10%(それぞれ2、4 mm程度)までひずませる(図1)。本研究では、上記を軽度損傷と仮定する。また、圧縮操作を行わないイチゴ(ひずみ0%)を対象区とする。それらの試料を、温度5°C、湿度90%で1週間貯蔵し質量の変化を計測する。 2. 品種B、Cをひずませるには、品種Aと比較してより大きな圧力を必要とする。これは品種ごとに押し傷のつきやすさが異なることを示していると考えられ、傷つきやすい品種の選別に有効である(図2)。 3. いずれの品種も軽度損傷により、質量減少が加速する。ただし品種Cは軽度損傷した場合でも、品種A、Bより質量減少が小さく、貯蔵中の目減りが抑制される(図3)。 4. これらの試験の結果から品種C>B>Aの順に長期輸送、貯蔵に適しており、これらの試験を行うことで傷つきにくく、かつ傷がついたとしても目減りを抑制できる長期輸送、貯蔵に適した品種の選抜が可能となる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 万能物性試験機を用いることにより、安定して一定の損傷を与えることができ、またそれに必要な力の大きさを調べることができる。左記により、傷つきにくい品種を選抜できる。 2. イチゴを傷つけた後質量減少を確認することにより、長期輸送、長期貯蔵しても目減りが少ない品種の選抜ができる。 3. 本試験で計測できる損傷のしやすさは、イチゴの押し傷に対してであり、擦り傷には別途の評価が必要である。 4. イチゴの特性は、栽培方法や季節などの試験条件でも変化する可能性がある。そのため、各現場での試験データを取得する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/nfri/2021/nfri21_s13.html |
カテゴリ | いちご 長期保存・貯蔵 品種 輸出 輸送 |