タイトル | 小型果実で収穫負荷を軽減できる短節間性種子食用ペポカボチャ品種「ゴールデンライト」 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2010~2020 |
研究担当者 |
嘉見大助 村田奈芳 杉山慶太 室崇人 |
発行年度 | 2021 |
要約 | 種子食用ペポカボチャF1品種「ゴールデンライト」は、既存品種と比べて果実は小型で軽く、短節間性および株元着果性に優れる。果実や種子は軽いが、種子収量は既存品種と同程度以上である。 |
キーワード | 株元着果、種子食用、短節間性、ペポカボチャ |
背景・ねらい | カボチャの種子は菓子類のトッピング素材への利用が拡大しているが、主に種子食用カボチャの種子は中国からの輸入に依存していることから、菓子業者などからは国産の種子供給が望まれている。国産の既存種子食用ペポカボチャ品種は種子収量に優れる一方、4 kgを越える大型果実であることから収穫作業が重労働であることが問題となっている。そこで、種子に殻がなく、短節間性で株元に着果し、小型果実でありながらも既存品種と食用種子の収量が変わらない品種の育成を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「ゴールデンライト」は、農研機構北海道農業研究センターで開発した「豊平2号」(種子親)と「豊平3号」(花粉親)とのペポカボチャF1品種である(図1)。 2. 雌花および雄花の開花時期は既存種子食用ペポカボチャ品種の「福種」より早く、「ストライプペポ」とほぼ同等である(表1)。 3. 「ゴールデンライト」の主枝の伸長は生育初期から中期にかけて短節間性の草姿を示す。その特性は「ストライプペポ」と類似しているが、主枝の節間長は「ゴールデンライト」の方が短い。株元着果率は「福種」および「ストライプペポ」よりも高い(表1)。 4. 株あたりの果実数は「福種」や「ストライプペポ」に比較して多く、平均果重は軽い。また、果実が円筒形で運びやすいことから、収穫時の作業性は「福種」や「ストライプペポ」と比べて高い(表1および図2)。 5. 「ゴールデンライト」の種子色はセイヨウカボチャの殻を剥いだ種子よりも濃い緑色を示す。種子100粒重は「福種」や「ストライプペポ」に比べて軽いが、収穫果数が多いことから、単位面積あたりの種子数ならびに種子収量は「ストライプペポ」と比べて同等以上で、「福種」の2倍以上である(表1および図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「ゴールデンライト」は慣行のセイヨウカボチャ産地で栽培可能であるが、寒地・寒冷地の栽培に向く。 2. 「ゴールデンライト」は蔓および葉に硬い毛があることから、栽培管理においては厚手の手袋や作業服の着用が望ましい。 3. 栽培方法は慣行のセイヨウカボチャに準ずる。種子食用ペポカボチャに登録されている農薬はシペルメトリン、水和硫黄剤および硫黄・銅水和剤に制限されている(2021年12月時点)。 4. 既存のセイヨウカボチャ品種に比べて貯蔵性が低く、長期間貯蔵した場合は腐敗果の増加や種子の果実内発芽が確認されることがあるので留意する。 |
図表1 | |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/harc/2021/harc21_s13.html |
カテゴリ | かぼちゃ 寒地 栽培技術 農薬 品種 |