(5)アジアの伝統食品・農作物の機能性と品質要因の解明並びに有効利用技術の開発

課題名 (5)アジアの伝統食品・農作物の機能性と品質要因の解明並びに有効利用技術の開発
課題番号 2008010746
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,両加工領域
協力分担関係 カセサート大学
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 タイの在来野菜20種について圃場試験により抗酸化活性の季節変動を測定した結果、日照が多い乾季(11月~2月中旬)に同活性が高まる。特に、シソ科野菜であるメボウキ(Ocimum basilicum)やカミメボウキ(Ocimum sanctum)などのバジル類では、乾季作のものが暑季作のものに比べ各々3.5及び2.5倍も抗酸化活性が高まる。また、バジル類の抗酸化活性は、遮光処理及び水ストレスにより大きく低下する。これらの知見から、栽培時期を調節し、適切な栽培管理を行うことにより抗酸化性を向上させることができると考えられる。強い抗変異原活性を示すコブミカンの葉に含まれる活性成分を単離精製し、各種機器分析により構造を解析した。得られた2つの化合物は、エポキシ環を有するプレニル基が結合したfuranocoumarin誘導体であった。コブミカン葉からの両化合物の報告はないものの、果皮からはエポキシ環が開環したジオール構造を有する化合物が報告されており、関連性が注目される。両化合物のEROD阻害活性のIC50値は、各々2.4 及び0.27 μMであった。両化合物はエームス試験系においてTrp-P-1の変異原活性を強く阻害することを確認した。中国伝統食品である「おから」発酵物から分離した枯草菌Bacillus subtilisが生産する抗糖尿病活性成分(α-グルコシダーゼ阻害剤)を精製し、イミノ糖であるデオキシノジリマイシンと同定した。α-グルコシダーゼ阻害活性は、おからの発酵に伴って生菌数とともに増加することから、発酵条件の最適化により活性を高めることができると考えられた。この技術をもとに、モデル機能性食品として、おから発酵食品を試作した。ベトナムの香り米品種Nam Thom Cho Daoにおける、主要香り成分2-アセチル-1-ピロリン(2AP)の含量が、タイの香り米品種同様、開花期後の乾燥ストレスにより増加することが現地圃場試験により明らかとなった。タイのもち米を原料として、スプレードライヤー装置を用いて、コメ水溶性多糖を大量調製した。これを用いて、同多糖の構造的特徴を研究した。X線回折分析の結果から、同多糖がコメデンプンとは異なり、非晶性物質であることが判明した。一方、赤外吸収スペクトル分析においては、水溶性多糖とデンプンは類似の性質を示し、両者が共通の構造的特徴を持つと考えられた。また、調製法・精製度の違いにより、タンパク質の混入も見られた。高温処理によりアミラーゼ活性を失活させた高アミロースインディカ粳品種米粉に、インディカ糯品種から調製した水溶性多糖を添加し、糊化特性に対する影響を検討したところ、最高粘度の上昇が見られるが、10%以上の添加により、極端な低下が見られ、糯品種に相当する糊化特性が得られた。タイの在来野菜について、種類、分類上の位置、利用法、利用されている地域、生理機能性と機能性成分について、これまでに得られた知見をとりまとめて図鑑を発行した。
カテゴリ 香り成分 乾燥 季節変動 機能性 機能性成分 栽培技術 しそ 機能性食品 バジル 品種

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