課題名 | d.暖地における簡易施設等を活用した野菜花きの高収益安定生産技術の開発 |
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課題番号 | 2009013864 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,暖地施設野菜花き研究チーム |
協力分担関係 |
香川県農業試験場 長野県野菜花き試験場 愛媛県農林水産研究所 熊本県農業研究センター 埼玉県農林総合研究センター 佐賀県農業研究センター 愛媛県農林水産研究所 近畿大学 福岡県農業総合試験場 九州大学 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)粗大有機物施用後の炭酸ガス発生量は、稲わら、麦わらで大きいが、稲わらを発生源とする場合は、窒素飢餓を防ぐため2.5kg/t以上の窒素を添加する必要があることを明らかにした。一方、杉皮バーク施用後の炭酸ガス発生量はわずかであり、発生源として不適であることを明らかにした。2)アスパラガスの周年生産のための伏込み栽培において、根株重に対する可販収量の割合は掘り上げ日が遅くなるほど増加し、最大で25%程度に達することを明らかにした。さらに、可販収量に影響を及ぼす低温の上限は気温が5~8℃、地温は9~12℃と推定し、これらの上限値以下の温度の積算時間から収量を予測できる可能性を見出した。また、培地容量の小さいセルトレイやペーパーポットで育苗するとポリポット育苗よりも根株掘り上げ時の根株重が小さくなること、並びに根株養成時に樹高を1mで刈り込む低樹高管理により収量が増加することを明らかにした。3)スプレーギクの直接短日栽培(短日条件の本ぽに定植する栽培)において、定植から収穫までに増加する茎長はいずれの季節でも定植後10日間もしくは20日間の気温と相関が高いことを明らかにした。また、挿し穂を長くしたり育苗培地を増量すると苗質が向上し収穫時の茎長、新鮮重が増加した。4)野菜の高温ストレス緩和・耐性付与技術の開発では、高温期の結球レタスの栽培において、比較的低温(昼温/夜温:25/15℃)での育苗と結球開始期以降の少量・多頻度のかん水を組合せると、高温(同:30/30℃)で育苗、あるいは結球開始期以降にかん水を行わない場合に比較してチップバーンの発生と茎伸長が抑制され、結球重が増加することを明らかにした。また、トマト接ぎ木苗の高温期における初期生育は「スーパー良縁」、「Bバリア」などの地下部重の大きい台木で促進されることを明らかにした。5)耐暑性育種素材の開発に向けて、常緑性ツツジにはない淡黄色の花色を有するが耐暑性が低いため西南暖地での生産が難しい有鱗片シャクナゲのヒカゲツツジと耐暑性が高いクルメツツジとの遠縁交雑から、耐暑性が高く、黄白色の花色で、花器の外観的特性がクルメツツジの普及品種と同等の交雑実生を獲得した。6)フザリウム病であるサラダナ根腐病に対して消毒効果が高いメチルイソチアシアネート・D-D油剤は、深さ5cmの最高地温が51℃以上であれば一穴当たり1.8ml注入することにより耕うん層の下5cmまでの罹病根を消毒できることを明らかにした。また、20年度に試作した土壌消毒機の問題点を明らかにし、目標の1.8ml±0.2ml/穴の精度を持つ土壌消毒機を完成した。7)野菜花き類の虫媒性ウイルス病では、ミカンキイロアザミウマにより媒介され、近年発生が拡大傾向にあるトスポウイルス(Impatiens necrotic spot virus)について、感染する雑草の種類を明らかにし、これらの雑草を除去することで発生を制御できる可能性を示した。また、南西諸島のトマトに感染するベゴモウイルスには病徴の差異と塩基配列から、Ageratum yellow vein virusとAgeratum yellow vein Hualian virusの2種が存在することを明らかにした。一方、日本に分布するタバココナジラミについては、ネオニコチノイド系の薬剤に高度な耐性を持つ2つの侵入集団と2つの在来集団の簡易迅速識別手法を確立した。本手法により、効果的な防除薬剤の選択が容易になった。8)ウリ類退緑黄化ウイルスは、複製酵素を含む4つの遺伝子をコードする8,607塩基のRNAと外被たんぱく質を含む8つの遺伝子をコードする8,041塩基のRNAの2分節ゲノムにより構成されることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 アスパラガス 育種 育苗 きく 栽培技術 雑草 台木 耐暑性 タバココナジラミ 接ぎ木 低樹高 土壌消毒 トマト 根腐病 品種 防除 薬剤 レタス |