課題名 | i.根圏域における植物-微生物相互作用と微生物等の機能の解明 |
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課題番号 | 2009013877 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,根圏域研究チーム |
協力分担関係 |
北海道立根釧農業試験場 山形大学 北海道大学 北海道立中央農業試験場 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)トマト褐色根腐病の病害発生程度の異なる病害発生土壌と非発生土壌の微生物多様性について細菌、放線菌、糸状菌を対象にeDNA法を用いて解析し、非発生土壌特有の糸状菌を見出し、土壌中から単離するとともにその抑制効果を確認した。2)根圏土壌微生物から獲得されたメタゲノムデータに基づき、土壌有機態リン酸化合物であるフィチン酸の利用能の違いを解析できることを明らかにした。3)植物の病害抵抗性を誘導する3種の有望天然物質のうち、特にキチン資材が植物の持つ免疫誘導機構を発現させる効果が大きいことを見出し、その機構としてはプライミング効果(先行する刺激が次に来る刺激への応答機構を増強する効果)が関与している可能性を明らかにした。4)小豆の線虫被害回避を図るために、小豆近縁野生種の中から抵抗性遺伝資源を見出した。さらに、小豆との交配によりこの抵抗性関与遺伝子を小豆に導入できることを明らかにした。5)VA菌根菌宿主作物を栽培すると、その後作の作物へのVA菌根菌の感染増によってリン酸施肥量を削減できることを、異なるほ場において複数年度にわたり実施した試験により実証した。すなわち、土壌の可給態リン酸レベルが標準的な土壌では土着菌根菌の効果があるため、標準量の15 kg/10aから5 kg/10aまでリン酸を減肥しても収量が低下しないことを明らかにした。6)とうもろこしと大豆の系統・品種を対象に、根圏の微生物による有機物の利用能をほ場試験により評価して、利用能は品種・系統で2倍以上の違いが存在することを明らかにした。7)水田の難防除性雑草であるコナギは土壌溶液によって休眠が打破されるが、米ぬか添加による土壌還元に伴って上昇する溶液の電気伝導率(EC)が1-1.5mS/cm以上となることにより、発芽が抑制されることを明らかにした。8)有機物の施用によるこまつなの体内成分(代謝産物)の変化をプロファイリング手法によって解析したところ、多くの成分は窒素栄養によって説明できるが、コハク酸、プトレシンなどは窒素に加えて有機物施用にも応答していることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 遺伝資源 こまつな 雑草 水田 施肥 大豆 抵抗性 とうもろこし トマト 根腐病 病害抵抗性 品種 防除 |