b.花きの品質発現機構の解明とバケット流通システムに対応した品質保持技術の開発

課題名 b.花きの品質発現機構の解明とバケット流通システムに対応した品質保持技術の開発
課題番号 2009013932
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,花き研,花き品質解析研究チーム
協力分担関係 島根県農業技術センター
熊本県農業研究センター
岩手県農業研究センター
香川大学農学部
高知県農業技術センター
徳島県立農林水産総合技術支援センター
住友ベークライト株式会社
高知市農業協同組合
くにびき農業協同組合
花巻農業協同組合
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)ゆり花被から向軸側表皮細胞、胚軸側表皮細胞及び柔細胞を分離した場合に分離細胞の純度が十分に高く、ゆりが花弁細胞肥大機構の解明の素材として有効であることを明らかにした。2)あさがおからオートファジー関連遺伝子ATG8ホモログを新たに6つ単離し、このうち5つの遺伝子の発現が花弁の老化時に顕著に増加することを明らかにした。形質転換により、花弁の老化時に顕著に増加する遺伝子の1つInATG8fの発現を抑制しても、花弁の老化には変化が認められないことから、これらの遺伝子は重複した機能を持っていることを示唆した。3)20年度に開発したトルコギキョウ切り花の品質保持技術について検討を進め、最も処理効果の高い合成オーキシンはNAAであり、エチレン生合成阻害剤AVGの最適な濃度は1mM であることを明らかにした。また、グラジオラス切り花を低酸素包装すると開封後の花持ちが2倍以上延長すること、及びりんどう切り花をエチレン作用阻害剤1-MCP処理後に低酸素包装すると開封後の花持ちが6倍以上延長することを明らかにした。4)花の大きさや形の制御機構の解明に向けて、ペチュニアから新たに単離した植物ホルモン応答性遺伝子を過剰に発現させたペチュニアの形質転換体では、花と葉がやや大型化することを明らかにするとともに、花弁発達過程において、本遺伝子の発現は細胞分裂が盛んな時期に増大することを示した。また、サイトカイニン生合成遺伝子を雄ずい及び花弁で過剰発現させた形質転換トレニアでは、内生サイトカイニン濃度及びサイトカイニンシグナル伝達遺伝子と分裂組織形成遺伝子の発現が上昇するとともに、花形が変化したことから、分裂組織の形成パターンはサイトカイニンシグナルの上昇により変化することを示唆した。5)ゆり「カサブランカ」における香気成分の発散抑制を目的としたアミノオキシ酢酸の処理時間は24時間、処理の時期はつぼみの段階が適当であることを明らかにした。6)覆輪花色形成機構を分子レベルで解明するため、ペチュニアの覆輪品種について花弁におけるカルコン合成酵素遺伝子CHSAのメチル化の状態を検討したが、非着色部分と着色部分で違いは認められなかった。覆輪品種ではフルアクリピリム剤の処理によりCHSA siRNAの産生が抑制されて覆輪形質が消失する。そこで、CHS遺伝子の発現をRNAiベクターの導入によって抑制して白色の花を咲かせる形質転換タバコへフルアクリピリム剤を処理することにより、花色の回復が期待されたが、花色の回復は観察されなかった。このことから、フルアクリピリム剤は、ペチュニア覆輪品種のCHSA siRNAの形成段階で特異的に作用することを示した。また、カーネーション黄色品種に存在するカルコン誘導体をナリンゲニン配糖体と推定するとともに、紫つばき品種の発色にアルミニウムが関与していることを明らかにした。7)花き類のアメニティ機能計測手法の開発に向けて、ストレス状況下で花(きく)の写真を提示すると前頭葉及び頭頂葉領域に特異的な脳活動の増加が認められることを明らかにした。また、脳梗塞・頭部外傷などにより脳機能障害を示す患者にフラワーアレンジメントを施行したところ、空間認知能力と記憶力の向上を認めた。
カテゴリ あさがお カーネーション 加工 きく グラジオラス くり たばこ トルコギキョウ トレニア 品質保持 品種 ペチュニア ゆり りんどう

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