課題名 |
b.生体情報及び高度センシング技術による茶の省力栽培・加工技術の開発 |
課題番号 |
2010014901 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構
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研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,野茶研,茶生産省力技術研究チーム
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協力分担関係 |
鹿児島県農業開発総合センター
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2010 |
摘要 |
作業の大幅な効率化・省力化を進めるための機械の高性能化に関しては1)茶うねを検出して自動走行する茶園用作業機の開発では、うね追従性能を向上させるため、感知板を介して茶うね側面に接触する力をロードセルで測定する感知板接触式茶樹感知センサを開発し、走行速度0.3m/s でうね追従できることを確認した。 2)乗用型施肥機について、肥料繰出し部をスクリュー式に改良することで作業能率・施肥精度が向上した。防霜ファンの節電型制御法では、現地茶園における実証運転データを収集し、2010年凍霜害における本装置の防霜効果を現地実証茶園で被害程度別分布図として詳しく調査した。茶樹の状態診断技術に関しては1)茶樹の新芽生育の地域性への適用性を改良するため必要なデータ収集とプログラムの開発を行い茶生育シミュレータを完成させた。2010年3月末の強い茶園凍霜害に際し、茶園葉層温度を現場で計測し、防霜ファンがない茶園の表面温度は-7℃近くまで低下していたことを農家ほ場を含む複数の茶園で確認した。2)茶芽生育や耐凍性に及ぼす温度環境の影響について、越冬期から萌芽期の温度履歴と新芽生育との関係を4品種で詳しく調査し、「やぶきた」一番茶の正常な生育には低温(明期10時間・10℃・2万ルクス、暗期14時間・5℃)に4~6週間以上遭遇することが必要で、低温必要期間には品種間差異が認められることを明らかにした。自動化に適応する茶園管理作業の分析と安全性向上技術に関しては、1)茶園管理作業の分析から、せん枝、施肥、防除の各作業は自動化の可能性があると考えられた。摘採作業の袋交換、施肥作業の資材張り込み、防除作業の薬液調整および器具の準備等で機械化や装置化による省力化・効率化の可能性があった。 2)安全性向上では、茶園で自動走行する作業機械について、赤外線センサなどを利用した人感知センサによる緊急停止装置を考案した。熟練作業者の常置を必要としない新たな製茶システムの開発に関しては、1)製茶工程ごとの自律的に動作するプログラムを、各機械に搭載した組込型コンピュータに移植してユビキタスコンピューティングを実現し、システム総体としての動作性を確認し、自立制御性能を評価した。これにより、各機械が与えられた茶葉の特性に応じて自律的に制御を行うシステムが構築された。また各製茶サーバーと通信し、工程全体を制御するプログラムを開発し、Internet Explorer等のブラウザでの動作を確認した。これにより、iPad のような移動可能な端末からも製茶工程の制御が可能であることを実証した。2)茶葉の原葉特性の評価技術については、茶の香気分析では、SAFE (Solvent Assisted Flavor Evaporation)装置にガラスウール2gを詰める工夫により、高真空蒸留法によって茶葉 20gの量で茶の香気成分が分析できることを確認した。
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カテゴリ |
肥料
加工
機械化
省力化
診断技術
施肥
センシング
茶
評価法
品種
防除
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