課題名 | a.危害要因の簡易・迅速・高感度検出技術の開発 |
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課題番号 | 2010014926 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,食品安全研究領域,食品衛生ユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,食品安全研究領域,化学ハザードユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,食品工学研究領域,製造工学ユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,微生物利用研究領域,微生物評価ユニット |
協力分担関係 |
国立大学法人北海道大学 国立大学法人東京大学 国立大学法人豊橋技術科学大学 荏原実業(株) |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 食中毒菌の迅速多重検出および種同定法に関しては、1)製品化された食中毒菌の迅速多重検出キットに含まれる開発した同時前培養培地の妥当性確認試験を、米国の分析法の妥当性確認をその活動の中心においた組織AOAC International のプロトコールに従って行った。加熱および凍結損傷させたサルモネラにおいて、牛挽肉からの回収試験を実施したところ、米国食品医薬庁(FDA)で指定されている2種の国際標準培地に比べ、開発培地の方が有意に検出率が高いことを明らかにした。2)鶏肉を混在させた標準培地の系を用いて、検出限界が103/ml、培養法による計数との相関係数r2 = 0.998であるカンピロバクター・ジェジュニのリアルタイムPCRによる迅速定量検出技術を開発した。かび毒の同時検出および動態解明については、1)21年度に確立したLC/MS/MSによる麦類かび毒の多種同時分析法を改良し、DON配当体の検出感度を10μg/kgまで高度化した。この多種同時分析法について、赤かび毒非汚染の小麦(チクゴイズミ)に2~10(μg/kg)と極めて低濃度の各種かび毒(DON、NIV、ゼアラレノン、T2 toxin、HT2 toxin)を添加した試料を用いて、シングルラボレベルでの妥当性確認試験を行った。その結果、厚生労働省の「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」(食安発第1115001)における併行精度と室内精度の目標値をすべてのかび毒で達成でき、分析法の妥当性を確認した。2)人工的にフザリウム属菌を接種して栽培したDON、NIV汚染度の異なる九州産めん用小麦(チクゴイズミ)を用いて、製粉工程でのDON、NIV含量と菌体量の動態解析を行ったところ、低汚染の小麦粒の製粉では、DON/NIV量とエルゴステロール(菌体量の指標)の上質粉(ヒトの可食部)への分布度は似通っており、両者の濃度は、原粒に比べ上質粉で有意に低かった。一方、中汚染(暫定基準値付近のDONを含有)の小麦粒を製粉した結果、菌体量は製粉によって可食部で半減しているにもかかわらず、上質粉でのDON濃度は原粒と有意差がなく、製粉による減毒効果が小さいことが明らかとなった。さらに、汚染上質粉で作製した生めんでうどん調理を行ったところ、毒素は、汚染度によらず、ゆでることにより4分の1程度に減少することが明らかとなった。 |
カテゴリ | 病害虫 小麦 鶏 農薬 |