課題名 | 渋皮が剥けやすいニホングリ「ぽろたん」の生産・利用技術の確立 |
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課題番号 | 2009014156 |
研究機関名 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 茨城県(農業総合センター) 茨城県(工業技術センター) 埼玉県 岐阜県(中山間農業研究所) 熊本県 (株)小田喜商店 (株)チヨダ |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)早期成園化技術について、副梢利用苗は定植1年目の結果母枝候補枝数が慣行苗より約4割多く、定植2年目以降の収量確保に有効であることを明らかにした。整枝・せん定技術については、成木前期樹において基部径、先端部径が優良結果母枝選定のための指標として有効であることを明らかにした。また、成木後期樹において、前年結果枝を結果母枝として利用すると大果・安定生産に有効であることを明らかにした。品質変動の解析と対策について、シワ果のシワの程度と果実比重、渋皮剥皮成との関係を明らかにした。また「ぽろたん」雌花の最も高い受粉率を示す時期を明らかにした。(2)長期流通のための貯蔵試験は、ポリエチレンフィルム(LDPE)袋による貯蔵で剥皮性が向上することが確認された。渋皮剥皮のための加熱方法の試験ではブランチング(湯がき)が安価、簡便で、剥皮効果が高く、果実の外観も優れるため、最も有望な剥皮方法と考えられた。剥皮した果実はミョウバン水にさらし、糖液中にビタミンCと食塩を添加することで甘露煮の変色防止に一定の効果があった。傷入れ機械の改良により傷入れ時間が4.6秒/果から3.5秒/果に短縮でき、かつ剥皮後の外観も改善できた。傷入れ果実の流通方法では、各種資材の検討において、いずれも従来の段ボール輸送と同様に5℃程度の低温が適すると考えられた。(3)果実を用いた識別法の検討では「ぽろたん」の比重は「国見」より高く、40%の果実が選別可能であった。外観では「ぽろたん」は「国見」に比べ果実の座の占める幅が狭い特徴が見られた。渋皮剥皮機構の比較では、「ぽろたん」の良剥皮性は接着物質であるポリフェノールの重合が渋皮組織内で進み果肉表面に移動しにくいことが原因である可能性が示唆された。DNA鑑定による品種識別技術の開発では150-500bp以下を増幅可能な113種類のSSRマーカーを作成した。選抜した8種類のSSRマーカーによる解析の結果、甘露煮、栗納豆などの加工品でで83.7%~97.5%の確率で候補となる品種を示すことができた。 |
カテゴリ | 加工 栽培技術 受粉 早期成園化 品種 輸送 |