課題名 | 多種多様な栽培形態で有効な飛ばないナミテントウ利用技術の開発 |
---|---|
課題番号 | 2009014162 |
研究機関名 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 兵庫県(農林水産技術総合センター) 大阪府(環境農林水産総合研究所) 奈良県 和歌山県 徳島県 (国)岡山大学(大学院環境学研究科) (株)アグリ総研 |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)複数の飛ばないナミテントウ系統を確立してパフォーマンスの回復程度の高い組み合わせを明らかにし、近親婚等による遺伝的障害を回避するための管理モデルを考案した。飛ばないナミテントウに適したアブラムシの選定および人工飼料の開発により、大量増殖系の基礎を確立した。4種類の温度条件で測定した飛ばないナミテントウの生存、発育、繁殖、および捕食行動に関するデータをもとにシミュレーションを実施し、飛ばないナミテントウの最適な放飼のタイミング等を予測することが可能になった。(2)コマツナ栽培条件では、飛ばないナミテントウ成虫を1回放飼(m2あたり2頭)、または2齢幼虫の2回放飼(m2あたり10頭)で、アブラムシの被害がほとんどなくなることが明らかになった。洋ニンジン栽培条件では、飛ばないナミテントウ成虫の有効活動範囲は、放飼地点から約5mであることが明らかになった。クワイ栽培条件では、成虫(1頭/株の密度、4回放飼)および2~3齢幼虫(8頭/株の密度、4回放飼)の利用が、クワイクビレアブラムシに対して有効であった。殺虫剤が飛ばないナミテントウにおよぼす影響を明らかにした。(3)防虫ネットを被覆したキク栽培条件では、アブラムシが発生初期の段階において、飛ばないナミテントウの成虫(m2あたり2~3頭、2回放飼)および2~3齢幼虫(m2あたり12頭、2回放飼)放飼することで、アブラムシの密度をほぼゼロにまで低下させることができた。また防虫ネットを被覆したシシトウ栽培条件では、飛ばないナミテントウ成虫を2~3頭/株の密度で3回放飼することによって、高いアブラムシ防除効果が得られた。(4)施設ナスのジャガイモヒゲナガアブラムシに対して飛ばないナミテントウの有効性を検討したところ、成虫(m2あたり2頭、3回放飼)よりも2齢幼虫(m2あたり10頭、3回放飼)放飼の方が低コストでかつ高い防除効果を示した。イチゴ栽培条件で、イチゴヒゲナガアブラムシ約50頭/株(低密度区)における成虫放飼(2頭/m2)および幼虫放飼(10頭/m2)は、安定した防除効果を示した。殺菌剤やダニ剤が、飛ばないナミテントウにおよぼす影響について明らかにした。 |
カテゴリ | いちご きく くわい こまつな 栽培条件 ししとう 低コスト なす にんじん ばれいしょ 繁殖性改善 防除 |