課題名 | 地下水位制御システムを活用した温暖平坦地向け水田輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2011017503 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,作業技術 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,作業技術 |
協力分担関係 |
山形県 新潟県 茨城県 栃木県 愛知県 岡山県 宮崎県 鹿児島県 筑西市・田谷川地区土地改良区 農業改良普及センター |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 不耕起や浅耕播種技術と地下水位制御システムを組み合わせた2年4作体系の開発に関しては、関東地域において、a)水稲品種「ほしじるし」は、乾田直播の標準期播種で600kg/10a程度の玄米収量を示したが、ムギ収穫後の晩播では未熟粒割合が高くなり、減収することを確認した。また、オオムギ茎立期における立毛中の水稲間作播種は、オオムギがトラクタ踏圧による損傷で収量が19%減収し、水稲は乾田期間の長期化による枯死や鳥害、生育後期の窒素不足で、収量が標準期播種に比べて30%減収することを確認した。b)試作したチゼル爪付き不耕起播種機については、作土の固い圃場でダイズの子実肥大期の一株当たり根量や根粒重が大幅に増えることを確認した 。c)ディスク作溝型不耕起播種機を用いたイネ・ムギ・ダイズの3年4作水田輪作体系において、コムギの多収性新品種、ダイズ不耕起狭畦栽培の導入により、従来の水稲移植、広幅ダイズの体系(平成21年、茨城県平均)に比べて作業時間の68%短縮と60kg当たり生産費の40%削減が可能であることを明らかにした。d)コムギの開花期以降の-30cmの地下水位制御は、この期間定期的な降雨があり、圃場が極度に乾燥することがなかったため、乾物生産に及ぼす影響は確認できなかった。 東海地域において、e)小明渠浅耕播種による水稲品種「コシヒカリ」の乾田直播では、小明渠浅耕全面鎮圧播種が播種条部のみ鎮圧する小明渠浅耕単独鎮圧播種(鎮圧幅20cm)に比べて、出芽率は高い傾向があり、収量も10a当たり16%高い536kg/10aを達成した。f)地下水位制御システムについては、水稲「コシヒカリ」の小明渠浅耕播種による乾田直播の場合、地下水位の制御により出芽率と品質が向上し、単収は目標を上回る540kg/10aを記録した。小麦「農林61号」に関しても同様に出芽率と品質が向上し、小明渠浅耕播種の単収はほぼ目標値である449kg/10aを達成した。ダイズ「フクユタカ」においては、出芽率に差は認められなかったが、品質が向上し小明渠浅耕播種で7月中旬に播種した場合の単収は、目標収量を下回ったものの260kg/10aを得た。 合理的な資材の投入による土壌管理技術及び雑草管理技術に関しては、a)ダイズを無施肥栽培した後コムギを栽培すると、収量が低下する場合があったが、リン酸とカリを増肥することで、収量を慣行並に維持できる可能性を見出した。b)堆肥施用量と水稲コシヒカリへの施肥窒素量を決定する判断基準については、土壌の培養窒素量が2.8g/m2より小さい場合、培養窒素量に比例して玄米重が増大し、窒素施肥により高収量となることから、この値が基準として有効と評価した。c)雑草の埋土種子に基づく除草剤低投入除草技術の開発に関しては、比重分離法による埋土種子調査(200g乾土使用)では、1点の分析サンプル当たり埋土種子の検出限界は約200個/m2であることを明らかにした。前作で雑草発生がない圃場でも埋土種子が検出され、雑草発生(圃場内外)と埋土種子を総合して防除を組み立てる必要があることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 大麦 乾燥 乾田直播 管理技術 狭畦栽培 雑草 除草 除草剤 新品種 水田 水稲 施肥 大豆 多収性 鳥害 低コスト 土壌管理技術 播種 品種 防除 輪作 輪作体系 |