| 課題名 | 次世代高生産性稲開発のための有用遺伝子導入・発現制御技術の高度化と育種素材の作出 |
|---|---|
| 課題番号 | 2011017508 |
| 研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
| 研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,稲 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,寒地作物 |
| 協力分担関係 |
北海道大学 帯広畜産大学 近畿大学 東北大学 岡山大学 農業環境技術研究所 北興化学 ホクレン |
| 研究期間 | 2011-2015 |
| 年度 | 2011 |
| 摘要 | 有用遺伝子を活用した育種素材の開発に関しては、a)光合成能の向上のために、ラン藻由来のカルビンサイクル構成遺伝子(FBP/SBPase)を葉緑体移行型に改変し、転写・翻訳レベルの上昇が確認された有望系統の緑葉でFBPase活性を測定したところ、系統によっては最大約18倍の上昇を確認した。また、細胞質糖代謝能と糖分配能の強化を目指して細胞質発現型に改変して導入した系統の緑葉では、酵素活性が最大で約6.5倍上昇した。イネ由来の同じ遺伝子を再導入した系統では最大で約10倍上昇した系統を作出した。b)耐冷性関連遺伝子を発現制御できるプロモーターの開発では、葯特異的プロモーターとして検討しているACE1p:1-SSTで葯特異的な発現を確認した。低温誘導性プロモーターを用いたアスコルビン酸過酸化酵素遺伝子(APXa)発現系統では低温条件での鞘葉出芽速度が大幅に向上し、供試個体の8割で鞘葉が出芽するまでに要した日数が原品種の18日から4~5日にまで短縮された。これを反映して、播種後8週目の地上部乾物重が原品種に比べて2~2.5倍に増加した。c)APXaとデヒドロアスコルビン酸還元酵素遺伝子を集積させた系統では、低温伸長性が原品種よりも有意に優れることを確認した。また、APXaと熱ショックタンパク質遺伝子(sHSP17.7)を集積・固定した系統では片方のみを持つ系統に比べて穂ばらみ期耐冷性が有意に高く、遺伝子集積効果を確認した。d)DNAマーカーを使った耐冷性遺伝子の集積に関しては、水稲品種育成の分野と連携して、水稲品種「ほしのゆめ」にCtb1、Ctb2、qCTB8、qFLT6の4つのQTLを導入・集積した系統「北海IL4号」において耐冷性が、原品種の“強”から“極強”まで向上したことを確認した。 区分管理技術に関しては、a)spw1-cls変異及び、これを戻し交配によって有用品種に導入した準同質遺伝子系統について閉花受粉性を関東東海北陸地域で調査した結果、福島県、栃木県、茨城県、千葉県、長野県、愛知県の山間地域で2~15%の開花を観察し、冷涼な条件では開花が促進されることを確認した。育種的利用を目的としたspw1-cls変異の分子マーカーとして、PCR反応後に制限酵素処理を要さずに変異を識別可能で信頼性の高いマーカーを現時点で2種類開発した。b)水稲品種「きたあおば」由来の閉花受粉性変異体「変異体C」の変異が既知のSUPERWOMAN1遺伝子内にあり、既知の変異とは別位置に生じた1塩基置換であることを明らかにした。この遺伝子をspw1-cls2と命名するとともに、識別可能なdCAPSマーカーを開発した。 このほか、 必須アミノ酸を高含有する飼料イネ開発の一環として、リジン生合成量の調節を行う酵素を高含量型に改変した遺伝子を導入した系統の緑葉では、遊離リジン含量を最高で200~300倍に高まった。 |
| カテゴリ | 育種 管理技術 受粉 水田 DNAマーカー 播種 品種 輪作 |