課題名 | 新技術の経営的評価と技術開発の方向及び課題の提示 |
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課題番号 | 2011017518 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,農業経営 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,水田作 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,生産基盤 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,作物開発・利用 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 農業技術の開発方向の提示に関しては、a)水田の有効活用と畜産経営の発展に有効と考えられる、飼料イネを利用した水田の冬季放牧利用技術を技術研究分野とともに開発し研究成果情報として公表した。b)水田放牧推進の技術開発課題を、水田放牧に伴うリスクとして、放牧管理者の怪我等のリスク、家畜自体のリスク(転落等の事故、栄養低下、熱射病、中毒症、疾病感染)、地域農業や地域社会に影響を与えるリスク(放牧牛の脱柵による農作物の盗食や交通事故等)に分類し、営農試験地での5年間の実証試験をもとに各リスクの発生頻度や経営への影響の大きさを整理するとともに、リスク顕在化の要因を解析し、リスク回避に向けた対応策を明らかにした。 水田作、畑作等に関わる先導的な生産技術体系の経営的評価に関しては、不耕起栽培や新品種を導入した水田輪作体系の10a当たり労働時間は、水稲乾田直播8.3時間、ダイズ不耕起栽培3.4時間と少なく、各作物の10a当たり費用合計は、生産費調査における大規模層平均と比較して35~40%少なく、60kg当たり費用合計は、コムギで18%、水稲で38~41%、ダイズで60%少ない水準にあることを提示した。これらのコスト低減は、不耕起播種機の大面積での汎用利用等により、実現されていることも明らかにした。 環境保全的視点を組み込んだ技術の経営評価手法の開発に関しては、和子牛生産に必要な各種飼料の生産・流通、繁殖牛及び子牛の飼養、排せつ物管理のプロセスで必要な生産要素原単位を把握し、各プロセスにおける利益係数、労働係数、飼料成分係数等を明らかにするとともに、LCA手法を用いて環境負荷係数を計算し、収益性と温室効果ガス発生量等の関連性を評価できる数理計画モデルを構築した。 このほか、2005年及び2010年の世界農林業センサス個票の組み換え集計を行い、北関東ではイネ・ムギ・ダイズの輪作を営む経営体の耕地面積は15,173haから17,380haに増加し、1経営体当たり耕地面積は5.7haから12.2haに著しく拡大するなど、地域農業の主要な担い手となりつつあることを明らかにした。気象及び圃場条件等から全国を54の農業地域に分類し、地域ごとに開発技術の導入を想定した営農モデルを策定し、これらの積み上げによるわが国の食料生産予測手法の開発に取り組んだ。その結果、湿田解消技術の普及により、ムギ類で現行より49%、ダイズで55%の増産が可能になること等を明らかにした。 |
カテゴリ | 乾田直播 管理システム 経営管理 新品種 水田 大豆 低コスト 肉牛 播種 繁殖性改善 不耕起栽培 輪作 輪作体系 |