課題名 | 寒地畑輪作における根圏の生物機能を活用したリン酸等養分の有効利用技術の開発 |
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課題番号 | 2012020380 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
信濃卓郎 |
協力分担関係 |
北海道大学・農学研究院 山形大学 東北大学・農学研究院 東北大学・農学研究院 後志農業改良普及センター 空知農業改良普及センター JAいわみざわ (株)たすく (株)環境エンジニアリング |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 土着菌根菌(AM菌)等の利用によるリン酸減肥技術に関しては、a)平成23年度までにAM菌宿主作物の後作ダイズや飼料用トウモロコシにおいてリン酸減肥の可能性を示したが、新たにバレイショと春コムギにおいても同様にリン酸減肥が可能であることを確認した。ダイズのリン酸減肥については、本技術の適用範囲を明確にするため、現地実証を継続し、事例を蓄積した。b)トウモロコシのリン酸吸収量は、マメ科作物とは異なり、土壌バイオマスリンと明瞭な関係が認められず、作物によって利用できる土壌リンの形態が異なる可能性を示した。 寒地における有機物分解や物質代謝を担う根圏の生物機能の解明に関しては、a)フィチン酸の効率的利用が可能な植物体の根圏土壌では、フィチン酸分解に関わると想定される遺伝子群の割合が増加することを明らかにした。また、北海道の複数の畑土壌を対象として、土壌RNAの抽出精製を検討した結果、静内町のトウモロコシ圃場の土壌から高純度の土壌RNAの取得に成功した。b)ハイブリッド型人工湿地システムを改良し、これまで処理できなかった高濃度有機廃液にも適用可能とした。複数の現地実証を行い、各段の面積と投入する廃液の濃度と量を適宜組み合わせることで多くの現場において廃液処理が可能であることを示した。c)メタボロミクス解析の結果、有機物施用効果の大部分は有機物に含まれている窒素成分がコマツナによって吸収された結果を反映していることを示唆したが、堆肥施用に関してはコハク酸、フルクトース、プトレシンなどの特有の成分変動を認めた。 |
カテゴリ | 肥料 寒地 こまつな 飼料用作物 大豆 とうもろこし ばれいしょ 輪作 |