乳房炎等の大規模酪農関連疾病の診断・防除法の開発

課題名 乳房炎等の大規模酪農関連疾病の診断・防除法の開発
課題番号 2012020407
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 内田郁夫
協力分担関係 地独)北海道立総合研究機構根釧農業試験場
北海道大学大学院獣医学研究科
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター
麻布大学獣医学部獣医学科
(株)東芝
(財)実験動物中央研究所
酪農学園大学
都道府県家畜保健衛生所
東京大学大学院農学生命化学研究科
宮?大学農学部
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 乳房炎等の大規模酪農関連疾病の研究に関しては、a)黄色ブドウ球菌(SA)の産生する毒素ロイコシジンが貪食細胞であるマクロファージに対して、細胞傷害性を示すことを明らかにした。炎症抑制因子である分泌性白血球プロテアーゼ阻害因子のコムギ芽系を用いた発現系を確立した。b)DNAチップを用いた乳房炎起因菌の検出系の確立に関しては、牛由来の真菌(属)及びProtothca zopfiiを収集し、26S rRNA領域のPCR産物の配列解析を行い、これらの菌に特異的な遺伝子領域を同定し、真菌(属)及びP. zopfii用DNAチップを作製した。c)黄色ブドウ球菌性乳房炎予防のためのワクチン抗原の検索に関しては、黄色ブドウ球菌性乳房炎ワクチンの候補抗原となる全菌体あるいは組換えタンパクをリポソームに封入し、粘膜誘導型ワクチンとしての抗原を調製した。d)成牛型サルモネラ症起因菌の病原因子に関しては、成牛型サルモネラ症から分離されたSalmonella Typhimurium(ST)ファージ型DT104が産生する毒素(ArtAB)のサブユニット構造及び生物活性を明らかにした。e)牛パピローマウイルスによる腫瘍形成機構の解析に関しては、乳頭腫の原因ウイルスである牛パピローマウイルス由来E2蛋白と癌蛋白に結合する宿主因子bTax1BP1が相互作用することを見出し、腫瘍形成メカニズムの一端を明らかにした。f)組換えカイコで作出したウシ顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(TGboGM-CSF)はバキュロウイルスで作出したものと同等の生物活性を有することを確認した。TGboGM-CSF投与後14日において、乳房炎罹患牛5頭のうち4頭の体細胞数が減少し、その治療効果を確認した。g)牛コロナウイルスを3頭の牛に経口接種し長期間経過を観察したところ、3例とも下痢を発症し、回復後の血漿、鼻汁及び糞便材料から複数年にわたってウイルス遺伝子が散発的に検出されたことから、牛体内において持続感染が起きていることを強く示唆した。h)牛由来STについてPFGE(パルスフィールドゲル電気泳動)、MLVA(multiple-locus variable-number tandem-repeat analysis)、薬剤耐性プロファイル等の細菌学的疫学マーカーのデータベースは、流行型、感染源・感染経路の特定及び薬剤耐性のモニタリングに有用であることを明らかにした。
カテゴリ カイコ データベース 乳牛 防除 モニタリング 薬剤耐性

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