課題名 | 野生鳥獣モニタリングシステム及び住民による鳥獣被害防止技術の確立 |
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課題番号 | 2012020445 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
百瀬浩 江口祐輔 |
協力分担関係 |
(財)神津牧場 徳島県農林水産総合技術支援センター 麻布大 埼玉農総研セ 京都大学・霊長研 美郷町産業振興課 千葉県 福島県 茨城県 栃木県 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | IT技術を活用したモニタリングシステム及び野生鳥獣の侵入防止対策技術に関しては、a)フィールドサーバと監視カメラによる鳥獣モニタリングシステムを試作、設置し、インターネット経由でのリアルタイムモニタリングに成功した。群馬県の山地牧場に赤外線サーモグラフィカメラを設置し、タヌキ、イノシシを明瞭な映像で撮影、識別することができた。b)スズメを飼育して防鳥網及び亀甲金網の侵入試験を行い、19mm目の防鳥網、短辺20mmの亀甲金網でスズメの侵入を確実に防止できることを明らかにした。c)カラスを飼育して果樹、果菜類を摂食させ、食害痕を記録するとともに、農家圃場等において食痕写真を撮影し、得られた資料を基にHP公開中の『鳥害痕跡図鑑』を改訂した。d)ニホンザル、ハクビシンを対象に柱の登坂能力試験、イノシシを対象に斜面の登坂能力試験を行い、サルは直径25cm以下の柱を登れるが、柱の表面の処理で登り行動を阻害できること、ハクビシンは概ね直径20cm以上の柱を登れないことを明らかにした。また、イノシシは板にワイヤーメッシュを貼付けた足場では急傾斜を登れたが、無処理の面では緩やかな角度でも登れないことを明らかにした。e)イノシシを対象に、サツマイモに直接電牧器をつないで設置したところ、2か所で4回程度ショックを受けた後は、サツマイモを摂食しなくなることを確認した。 野生鳥獣による農業被害発生予測技術と対策支援ツールに関しては、a)詳細スケールでの被害予測モデルを構築するとともに、地域住民がモバイル端末等を使って必要な情報を入力、共有、閲覧できるWebベースのGISアプリケーションを試作した。b)市町村ごとの有害駆除数及び被害面積の分析から、森林面積当たりの捕獲数が少ないほど翌年に捕獲数、被害面積が増加しやすいことを明らかにした。 実践的な対策プログラムと効果的で低コストな総合的対策技術に関しては、a)大面積の野外試験区にライムギを播種してイノシシ摂食量を計測したところ被害割合は37.7%で、大面積でライムギを単播した場合では、イノシシ被害をある程度抑制できることを明らかにした。播種期を変えた試験では、9月播種が10月、11月に比べ被害が低いことがわかった。b)竹林で間伐管理を行い、自動撮影装置によるイノシシ出現状況の記録、解析に着手した。c)ニホンザルに発信機を装着して採食行動を観察し、農作物加害のほか、田畑の落穂、二番穂、収穫残渣、畦畔雑草を採食する個体が多いことを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 管理技術 雑草 鳥害 鳥獣害 低コスト 播種 モニタリング ライ麦 |