④ 家畜の行動・繁殖の制御機構の解明

課題名 ④ 家畜の行動・繁殖の制御機構の解明
課題番号 2012020461
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 岡村 裕昭
?橋 透
矢用 健一
粕谷 悦子
作本 亮介
若林 嘉浩
林 憲悟
山村 崇
協力分担関係 国立大学法人岩手大学
国立大学法人名古屋大学
国立大学法人岡山大学
国立大学法人京都大学
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
国立大学法人東京農工大学
(独)家畜改良センター
(独)農業環境技術研究所
鹿児島県農業開発総合センター
福岡県農業総合試験場
研究期間 -4
年度 2012
摘要 1.急性高温負荷条件下のウシにセロトニンの前駆体であるトリプトファンを末梢投与すると、高温による呼吸数増加を抑制する傾向が認められ、急性高温に対する生体反応にセロトニン神経系が何らかの役割を担っている可能性が示唆された。
2.自動ブラッシング装置を開発して仔ウシ用ペンに設置したところ、仔ウシは積極的に装置を利用し、離乳後、群へ編入後の日増体重が多くなる傾向が観察され、自動ブラッシング装置は母親によるグルーミングの代替として仔ウシの成長に好ましい影響を与える可能性が示唆された。
3.ヤギにおいて、弓状核キスペプチン神経系はニューロキニン(NKB)を伝達物質とする神経ネットワークを形成していることを明らかにした。弓状核キスペプチン神経細胞群ではこのような特徴的なネットワークの形成により、関与する神経細胞が同期して活動し、卵胞発育を制御するための脈動的な脳の指令を産生することが可能になっているものと考えられる。
4.NKB作動薬による新たな家畜の卵胞発育制御技術開発に向け、まず、覚醒したヤギのキスペプチン神経細胞の活動を指標とした、NKB作動薬生理活性のリアルタイム評価系を確立した。これを用いて24年度作製した新規化合物の活性評価を行い、卵胞発育制御剤の候補となる数種の化合物を見いだした。
5.ヤギにおいて、雌の繁殖活動を亢進する雄効果フェロモンの中枢情報処理機構を解析し、フェロモン情報は弓状核キスペプチン神経細胞に伝達され、NKBおよびキスペプチンの作用を介して、性腺刺激ホルモンの分泌を促進していることを示す知見を得た。これにより、フェロモンの入力から雌の繁殖活動亢進という出力にいたる神経機構を、概ね明らかにできたものと考えられる。
6.カテプシンによってC末端を切断された構造を持つウシ胎盤性ラクトジェン(bPL)を大腸菌内で発現させその活性を検証したところ、組換えbPLはラクトジェニック活性を全く持たないこと、血管内皮細胞の増殖を抑制することが明らかとなり、ヒトやラットのプロラクチン同様、bPL も切断により生じたN末端側断片が新たな生理活性を有する可能性が示された。
7.受胎率向上や早期妊娠診断等に向けた新規技術開発に資することを目的とし、ウシにおいて発情周期中の黄体と妊娠黄体との間で、発現する遺伝子とタンパク質含量の比較を行ったところ、腫瘍壊死因子やプロスタグランディンの受容体、合成酵素など、ウシ黄体では妊娠することで特異的にその発現が変化する生理活性物質の存在が明らかとなり、ウシにおいて非妊娠黄体と妊娠黄体との間には機能的な違いのあることが示唆された。
8.妊娠150日齢のウシから採取した胎盤を裁断した胎盤外植片培養を用い、エンドセリンが胎盤局所の血管作動性物質の発現と分泌におよぼす効果を検証し、エンドセリンは主にアドレノメデュリンや内皮型一酸化窒素合成酵素などの血管拡張因子と協調して作用していることを示した。
カテゴリ 受胎率向上 繁殖性改善 フェロモン 山羊

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