課題名 | 水稲収量・品質の変動要因の生理・遺伝学的解明と安定多収素材の開発 |
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課題番号 | 2013023002 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
近藤始彦 鈴木健策 寺尾富夫 |
協力分担関係 |
新潟大学 東京大学大学院農学生命科学研究科 ケット科学研究所(株) 富山県農林水産総合技術センター 東京農業大学 長浜バイオ大学 農環研 京都府立大学 京都大学農学部 岐阜大学連合農学研究科 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 水稲の多収性や高温耐性の機構解明に関しては、 a) 多収品種「タカナリ」の高光合成能QTL-GPSは葉の形態を制御する遺伝子NAL1の変異型であった。このQTLと籾数を増加させる遺伝子Gn1を「コシヒカリ」に集積したが、明確な収量増加は認められなかった。「北陸193号」×大粒系統集団の遺伝解析によりシンク容量や粒大 に関与するQTL領域を推定した。 b) 高温登熟下の頴果で発現する高温ストレスバイオマーカー候補物質を見出すとともに、水稲胚乳の成熟におけるプログラム細胞死の時 間的・空間的進行経過を明らかにした。準同質遺伝子系統(NIL)を用いた解析から、「ハバタキ」型において、整粒割合を高め、乳白粒 、死米の割合を下げるQTLを第3染色体上に見出し、その領域を61kbpに絞り込んだ。平成24年度までに白未熟粒低減効果を確認した脂質代 謝関連遺伝子変異系統について、2つの遺伝子を集積した系統を作出した。「コシヒカリ」に「ハバタキ」の第7染色体断片を導入し品質が向上した系統では茎部デンプンの転流促進を認めた。 c) 幼苗期の地上部低温障害は、培地に低濃度硝酸、カリウム、鉄を含むと顕著であり、葉中の硝酸と亜硝酸の蓄積による光合成障害が関 与することを明らかにした。根でのアクアポリンPIP2;1は「タカナリ」で「コシヒカリ」の約2倍発現し、単位根当たりの吸水量の差異と 密接に関連している可能性を示した。 |
カテゴリ | 高温耐性 GPS 水田 水稲 多収性 品種 輪作 |