畜産廃棄系バイオマスの処理・利用技術と再生可能エネルギー活用技術の開発

課題名 畜産廃棄系バイオマスの処理・利用技術と再生可能エネルギー活用技術の開発
課題番号 2013023094
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 天羽弘一
田中康男
協力分担関係 茨城県畜産センター
茨城県
太平洋セメント
JA全農
千葉県畜産総合研究センター
中国工業株式会社
農環研
パナソニック
小野田化学
福島農総研
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 家畜排せつ物の堆肥化・浄化処理の高度化に関しては、a) 水循環条件のロックウール脱臭装置では、担体の脱窒菌群集の優占種が、主に土壌由来のものから汚水処理設備由来の近縁種へ変化することを明らかにした。ロックウール生物脱臭装置内でプロピオン酸、堆肥抽出物、酢酸ナトリウムが利用される脱窒ポテンシャルは、それぞれ流入窒素の0.2%、1.1%、23.8%と推定した。b) 汚水の窒素除去技術につ いては、硝酸還元及び嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応への電子供与体として籾殻利用におけるアナモックス菌の増加と窒素除去量が稲ワラ、おがくずより大きく有望であると判断した。人工湿地内のアナモックス活性の垂直・水平分布を明らかにした。また、土壌改良材の粉末硫黄を浄化処理汚水に接触させることで、硫黄酸化細菌による脱窒の資材として利用可能であることを明らかにした。c) 非 晶質ケイ酸カルシウム(CSH)を生物処理後養豚排水に添加することにより、リン回収、色度低減、大腸菌群消毒の同時処理を可能とした 。回収したCSHを施用したホウレンソウのポット栽培試験では無施用区より収量・最大葉長が高く、リン酸肥料として利用可能であった。 また、CSHを牛ふん堆肥に添加すると直径8mm以上の造粒が可能であることを明らかにした。
堆肥由来エネルギーの高効率回収・利用技術に関しては、堆肥発酵排熱の回収利用技術については、搾乳牛への温水給与によって飲水回数及び飲水時間に促進効果を認めた。実規模吸引通気式堆肥化施設において構築した排気熱回収温水給与設備では、農業用水(平均12.9℃)を33.3℃に加温して118頭の牛群に対し14.4m3/日の給与を可能とした。
エネルギー自給型家畜飼養管理及び低環境負荷型家畜排せつ物処理システムの構築に関しては、a) 太陽光発電シミュレーションモデル、 バルククーラー消費電力推定式を組み込んだ牛舎エネルギーネットワーク構築支援アプリケーションのプロトタイプを開発し、電力消費と再生可能エネルギーとの電力需給関係の可視化を可能とした。b) ヒートポンプ生乳冷却時温水生成システムについては、現地実証農場の うちアイスビルダ方式では生乳冷却に関わる電力消費量は約73kWh/日であり、季節では春季が最も多く、直膨式では総電力消費量は約12kWh/日程度であり、夏季や秋季の消費量が多いことを明らかにした。
このほか、a) 茨城県の実証試験事業で実施したリン酸マグネシウムアンモニウム結晶化法による豚舎汚水中リン除去回収技術の現地実証 において、水溶性リン酸態リン濃度の平均6~7割の低減とリン酸マグネシウムアンモニウム結晶の付着回収用部材への良好な付着を確認した。b) 農林水産省の「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」において、福島県の酪農再開実証農場への堆肥発酵熱回収利用施設 の導入作業を開始した。
カテゴリ 肥料 アナモックス菌 再生可能エネルギー 飼育技術 土壌改良 乳牛 ヒートポンプ ほうれんそう

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