課題名 | 周年安定供給が可能な高品質のバレイショ品種及びその管理技術の開発 |
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課題番号 | 2013023100 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
田宮誠司 |
協力分担関係 |
カルビーポテト株式会社 道総研中央農試 北海道大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | バレイショの長期貯蔵技術に関しては、品種ごとのエチレンによる長期貯蔵条件を策定した。また、エチレンの拮抗阻害剤である1-メチ ルシクロプロペン(1-MCP)を処理することによって、エチレン貯蔵によるポテトチップスの色の明るさ(チップカラー)の低下を防止し 、貯蔵後3~4か月はチップカラーを維持できることを明らかにした。 油加工適性に優れ生産力が高い品種の育成に関しては、 a) 「北海104号」は多収であったが、一部の栽培試験において褐色心腐が発生したことから、工場でのラインテストの結果により品種化の可否を判断することとした。 b) 「北海106号」は育成地の生産力検定試験、奨励品種決定試験、現地試験とも多収であることを確認した。「勝系33号」は、6月までの 長期貯蔵でもチップカラーの低下が少なく、エチレン貯蔵時の芽の伸長も抑えられることを明らかにした。 高度病害虫抵抗性品種の育成に関しては、 a) 雑種集団を用いたジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウ抵抗性遺伝子のDNAマーカー解析により、遺伝資源の保有遺伝子型を推定した。 b) 圃場検定による育成系統の塊茎褐色輪紋病抵抗性評価を実施し、抵抗性を明らかにした。 でん粉や色素等に特徴のある新規形質系統の開発に関しては、 a) 「北海105号」のでん粉は、リン含量が高いが離水率が低く、従来と異なる特性を持つことを明らかにした。現地試験6か所中4か所で標準品種の「コナフブキ」よりもでん粉収量が10%以上多収となり、やや有望と判定された。 b) 「北海107号」(勝系32号)は「さやか」や「はるか」より多収であり、曝光による緑化が少なく、グリコアルカロイド含量の増加も少ないことを明かにした。地域適応性試験においても多収であったが、「男爵薯」よりも枯ちょう期が遅いため、試験を継続して検討することとした。 c) 赤皮黄肉で外観に特徴のある小規模栽培向け系統「00024-13」の品種登録出願を行った。 このほか、 a) バレイショに含まれるアントシアニン色素のペラニン及びペタニンを高純度で精製し、アントシアニン含量を測定することにより、従 来のシアニジン-3-グルコシドを標準品として使用した測定法よりも正確な含量の測定を可能とした。 |
カテゴリ | 遺伝資源 害虫 加工適性 カラー 管理技術 シロシストセンチュウ 長期保存・貯蔵 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 ばれいしょ 品種 |