小麦新品種「さとのそら」普及・定着のための高品質・安定生産システムの開発

課題名 小麦新品種「さとのそら」普及・定着のための高品質・安定生産システムの開発
課題番号 2012021178
研究機関名 農研機構・作物研究所
埼玉県農林総合研究センター
栃木県農業総合センター
茨城県農業総合センター
研究期間 2010-2014
年度 2012
摘要 ○後期重点型の施肥体系の開発
窒素吸収量は茎立ち期から出穂15日前に追肥した試験区で高くなった。そのため、目標収量及び蛋白質含量の達成には、茎立ち期以降の追肥が効果的であると推察された。しかし、出穂前15日以降の追肥では外観品質の低下、また出穂期追肥では灰分の上昇が見られることから、追肥時期、量についてはさらに検討が必要である(細粒灰色低地土)。
緩効性肥料の最適配合割合については冬季における低温の影響により判然としなかったが、化成肥料による基肥+追肥体系に比べ、さとのそら専用(くみあい麦配合2032号)等緩効性肥料の利用による収量・品質向上効果が認められたため、現地適応性は高いと考えられた。
○早播き栽培技術の開発
早播き栽培については、播種量を削減し、慣行施肥体系より増肥し後期重点型にすることで、慣行施肥体系と品質・収量は同等となった。晩播については、播種量を増やすことにより、一定の収量は確保されたが、適期播種と同等の収量には達しなかった。
○現地実証
現地4ヶ所における緩効性肥料を利用した後期重点型施肥体系の実証試験では、緩効性肥料の現地適応性は高かったものの、最適配合割合は判然としなかった。 ○後期重点型の施肥体系の開発
基肥窒素量が8kg/10aの場合は茎立ち+20日の時期に2kg/10a,基肥窒素量が12kg/10aの場合は無追肥が適すると考えられた(厚層多腐植質多湿黒ボク土)。
○早播き栽培技術の開発
早播き栽培では、播種量削減と緩効性肥料を併用することでも多収となった。晩播については、播種量を増やすことにより、一定の収量は確保されたが、適期播種と同等の収量には達しなかった。
○現地実証
現地2ヶ所における「タマイズミ専用866」及び試作肥料(LPS30:LPS40=1:2)の実証試験では、目標収量を達成出来たが、目標蛋白質含量の達成には土壌条件等を考慮した施肥量の検討が必要と考えられた。 ○発育予測技術及び土壌・生育診断に基づく施肥技術の開発
各県の栽培・気象データをもとに、DVR法による生育予測式のパラメータをシンプレックス法を用いて決定した。得られた予測式により茎立ち期、出穂期、成熟期の予測が可能となり、出穂期に関しては予測誤差が少なく、実用可能な精度であることが確認された。
土壌診断に基づく施肥技術について、土壌の窒素肥沃度の目安であるリン酸緩衝液抽出窒素量と施肥窒素量の和と収量の間には有意な正の相関が認められたことから、土壌肥沃度に応じて施肥量を調整することにより、目標収量の達成が可能であると考えられた。また、茎立ち期の生育量(草丈と茎数の積,地上部生重等)と収量の間には、昨年度と同様に有意な正の相関が認められ、目標収量達成のための生育指標値は明らかになってきたが、安定した蛋白質含量の達成には更なる検討が必要である。
○後期重点型の施肥体系の開発
窒素吸収量は茎立ち期から出穂15日前に追肥した試験区で高くなった。そのため、目標収量及び蛋白質含量の達成には、茎立ち期以降の追肥が効果的であると推察された。しかし、出穂前15日以降の追肥では外観品質の低下、また出穂期追肥では灰分の上昇が見られることから、追肥時期、量についてはさらに検討が必要である(中粗粒灰色低地土)。
緩効性肥料の最適配合割合については冬季における低温の影響により判然としなかったが、化成肥料による基肥+追肥体系に比べ、さとのそら専用(くみあい麦配合2032号)等緩効性肥料の利用による収量・品質向上効果が認められたため、現地適応性は高いと考えられた。
また、基肥の25%程度を播種期に施用し、2~3ヶ月後に残りの基肥を施用する分施技術により、標準の施肥体系に比べて同等以上の収量が得られた(茨城県)。
○早播き栽培技術の開発
10月下旬播種については基肥無施用で播種量を減らし、播種後 3ヶ月頃に化成肥料を表層施肥することで、初期生育を抑制し、慣行施肥体系と品質は同等・多収となった。晩播については、播種量を増やすことにより、一定の収量は確保されたが、適期播種と同等の収量には達しなかった。
○現地実証
現地2ヶ所における分施肥の実証試験では、標準施肥よりも同等~多収となり、目標収量を達成することができた。
カテゴリ 肥料 小麦 栽培技術 新品種 生育予測 施肥 土壌診断 播種

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