農畜産物の品質評価・保持・向上技術の開発

課題名 農畜産物の品質評価・保持・向上技術の開発
課題番号 2013023104
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 生駒吉識
中山真義
野村将
協力分担関係 農環研
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 野菜・果樹・花の品質劣化機構の解明と品質保持技術の開発に関しては、a) 鮮度低下にともなって発現が増大するシステインプロテアーゼについて、ブロッコリーとホウレンソウの両者の遺伝子発現解析に利用できる共通のプライマー配列を見出した。b) 硝酸イオン電極を 用いた野菜の鮮度評価のための試作機を校正しやすいように改良し、検量線の直線性を改善した。試作機の定量精度は、イオンクロマトグラフ法等の従来法と変わりなく、測定に要する時間は硝酸電極を用いる市販機よりも約11分短縮できた。c) 遺伝子発現解析やオーキシン 阻害剤処理したモモ果実の軟化程度の調査により、モモ果実の軟化には、エチレンだけでなくオーキシンで誘導される軟化酵素の発現が必要であることを明らかにした。d) ウンシュウミカンでは、5℃の貯蔵でオルニチン含量が顕著に増加することを確認し、遺伝子発現解析により、オルニチン代謝が更に進んでポリアミンが集積しやすい遺伝子発現プロフィールになることを明らかにした。e) 樹上での植物ホル モン剤散布によるウンシュウミカンの異臭原因物質(S-メチルメチオニン)の低減効果を再確認し、さらに最適散布時期は9月中旬である ことを明らかにした。f) キンギョソウ等の高温による花弁の矮化について、高温によりオーキシンを生成する酵素遺伝子(ILR1:不活性 型オーキシンを活性型に変換)の発現が増大しなくなるため、花弁のオーキシンの減少によって矮化が起こることを解明した。g) セント ポーリアの花弁で検出される赤色蛍光の原因物質として、フラボノイドとアントシアニンを同定した。赤色蛍光は、これら2つの原因物質 を混合した場合にのみ発生することを見出した。h) ユリの香り抑制剤の副作用(葉色や花色に対する障害)を軽減できるジベレリンと糖 を加えた新たな香り抑制剤を開発し、その有効性を産地や季節を変えて実証した。
畜産物の品質関連因子の解明と品質評価技術の開発に関しては、a) 畜草研の生産乳の凝固性を周年的(2週間に1回)に評価したところ、 調査日に関わらずほぼ一定値を示し、低凝固乳は検出されないことを確認した。b) ウシ半腱様筋と咬筋の間のmicroRNAの次世代シークエ ンサーによる網羅的定量比較法は、定量的PCRによる解析結果と一致することを確認した。また、ウシ半腱様筋及び咬筋でmicroRNAにより 調節される遺伝子群とその機能をバイオインフォマティクスにより予測し、半腱様筋ではコラーゲン等に関連する機能を推定した。c) 食 肉脂肪の結晶化度及び結晶多形を、ラマン顕微鏡によりin situでイメージングする手法を開発した。d) 自給飼料多給型豚肉と慣行豚肉の違い、並びに地鶏肉らしい食感を表す官能特性評価用語を選択するとともに、消費者が感じる牛肉の「やわらかさ」を客観的に特徴付ける用語を明らかにした。
加工適性の解明と加工技術の開発に関しては、a) 果実の剥皮加工適性について、ウンシュウミカン果肉は果皮より全多糖類中のセルロー ス系の物質の割合が高いため、セルラーゼ活性を有する酵素液を用いると酵素剥皮による果肉障害が起こりやすいことを明らかにした。b) 果皮表面の気孔が塞がれていないビワ等の果実では、食品用乳化剤を添加した酵素溶液を処理することによって気孔から酵素を導入して 容易に酵素剥皮を可能とした。c) 発酵乳用スターターとして、カロテノイド生産性乳酸菌Enterococcus gilvusを選定し、好気培養によりカロテノイド生産量が大幅に上昇することを明らかにした。d) 乳酸菌由来カロテノイドは、乳酸菌の酸化ストレス耐性を向上させるほか 、低pH、胆汁酸、リゾチームに対するマルチストレス耐性も向上させることを明らかにした。e) GABA生産菌は、他の乳製品スターターと 共培養することで、GABA生産量が著しく増加することを見出した。f) 選択した3種のスターターについて、官能特性が異なる原料乳の識別性を打ち消してしまうことなく発酵乳を調製できることを確認するとともに、それぞれの発酵乳の官能特性を明らかにした。
カテゴリ 温州みかん 加工 加工適性 果肉障害 セントポーリア 評価法 びわ 品質保持 ブロッコリー ほうれんそう もも ゆり

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