課題名 | 作業の高速化による高能率低投入水田輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2014025503 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
大谷隆二 村上則幸 西田瑞彦 |
協力分担関係 |
ヤマハ発動機(株) 株式会社クボタ 宮城県古川農業試験場 スガノ農機 ヤンマー クボタ 山形県農業総合研究センター 日立マクセル株式会社 (株)フリーデン ジェイカムアグリ株式会社 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | グレンドリルやチゼルプラウ等を活用した高能率な大規模水田輪作システムに関しては、 東北において、 a) 寒冷地乾田直播の耕起・播種床造成技術の体系化について、播種前のスタブルカルチによる荒起こし、播種直前のケンブリッジローラ(表面を平らにするクラッカーボードを併用)による播種床造成を行った後、グレンドリルを用いて播種する体系を構築し、宮城県名取市の現地圃場(7.5ha)で「まなむすめ」と「ひとめぼれ」で全刈収量520~550kg/10aを実証した。 b) 乾直水稲・ムギ・ダイズ・ナタネ・ソバを組み込んだ輪作体系の安定性・継続実施可能性に関しては、耕起にスタブルカルチを用いるなど作業を高速化することで、迅速な作目の切り替えを可能とし、全ての作目の播種にグレンドリルを用いた体系を現地で実証した。また、イネ-ムギ-ダイズの輪作体系において、60kg当たりの費用合計で5割削減の見通しを得た。 c) 水稲無コーティング種子の代かき同時播種の現地実証試験では、播種の作業時間が最速で0.22時間/10aとなり、苗立ち率71%(平均)、全刈収量637kg/10a(大仙市のみの平均)を記録した。 d) 地下水位制御システム(FOEAS)等を活用した水稲、ダイズ等の生産性の評価を場内圃場と現地圃場で実施し、地下水位制御によりダイズで5%(場内圃場)と16%(現地圃場)の増収効果を認めた。また、秋田県大潟村の重粘土干拓圃場での水稲-ダイズの1年1作体系において、FOEASと前作ダイズが水稲乾田直播に効果を発揮し、移植並みの収量が得られることを実証した。 e) 64kwのトラクタで利用できる暗渠施工器について、暗渠排水効果はピーク値で1.25mm/h以上、総降雨量に対する排出率は28%を示し、地下排水機能向上効果のあることを現地で確認した。 北海道において、 a) 前年整地による作業ピークの緩和に関しては、前年整地を行うことにより春の整地作業時間は全道の平均的均平作業時間(3.3時間/ha)の57%に削減され、春作業の分散が可能となることを現地で確認した。 b) 前年整地圃場の均平精度評価のために日本で初めてロボットヘリコプタを導入し、高精度な圃場高低差マップを省力的に作成できることを示すとともに、その測定精度が従来の測量などの方法と比べて遜色ないことを確認した。 このほか、 c) 秋まきコムギ「きたほなみ」の栽培指針での指標である越冬前と幼穂形成期までの茎数が、携帯型NTVI(植生指数)センサにより迅速に推定できることを明らかにした。 合理的な資材の投入による土壌管理技術及び雑草管理技術に関しては、 北海道・東北地域において、 a) 寒冷地向けの飼料稲麦二毛作生産技術体系として適性品種と作期の選択、ムギ播種前後の堆肥施用(1~2t)、ムギ簡易耕同時播種と掻き取り量削減による水稲育苗箱節減等の栽培体系を策定し、年間乾物収量1.6t/10a以上を得た。研究成果は、「ダイレクト収穫体系による飼料用稲麦二毛作技術マニュアル<2013年度版>」に取りまとめ、公表した。 b) 多収性イネ品種収穫後の秋季に石灰窒素を50kg/10a散布することにより、翌年の移植栽培条件における漏生イネの発生を1/6以下に低減できることを明らかにした。 c) 湛水直播栽培について、タイヌビエの埋土種子量が4,000粒/m2以下の圃場では、イネ4葉ないし6葉期からの深水管理(10~12cm、3~4週間)の併用効果が認められ、除草剤散布回数1回で収穫時の残草乾物重を雑草許容量の50g/m2以下に抑制可能であることを明らかにした。 d) いもち病感受性品種「萌えみのり」を多窒素条件で栽培しても、後期追肥(減数分裂期と出穂期に各4kg窒素/10a)とフサライド水和剤及びプロベナゾール箱施用剤を組み合わせることにより、葉いもちに対しては薬剤2~3成分相当、穂いもちに対しては、薬剤2成分以下相当の減農薬効果があることを確認した。 |
カテゴリ | 病害虫 育苗 いもち病 FOEAS 乾田直播 管理技術 栽培条件 栽培体系 雑草 直播栽培 除草剤 飼料用作物 水田 そば 大豆 多収性 低コスト 土壌管理技術 なたね 二毛作 農薬 播種 春作 品種 水管理 無コーティング種子 薬剤 輪作 輪作体系 ロボット |