課題名 | 需要拡大に向けた用途別高品質・安定多収大麦品種の育成 |
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課題番号 | 2014025512 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
柳澤貴司 吉岡藤治 |
協力分担関係 |
長野県農試 新潟薬科大 全国精麦工業協同組合連合会(全麦連) 岡山大学 埼玉県農林総合研究センター 大妻女子大 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 新規胚乳成分特性などを導入した高品質品種や大麦粉用品種の育成に関しては、 a) 糯性でβ-グルカン含量が高い系統については、「関東裸糯94号」を品種登録出願した。精麦白度の優れる寒冷地向け極低ポリフェノール系統「東北皮46号」を開発した。 b) fra遺伝子については、連鎖する新規の選抜マーカーを開発した。実需者評価によりfra導入系統でも精麦工場での実機加工が可能であることを明らかにした。 利用技術の開発に関しては、 a) 高β-グルカン含量大麦粉物性については、小麦粉に高β-グルカン糯品種「キラリモチ」粉を混合したゆで麺は、ファイバースノウ(通常品種)の粉を混合したゆで麺と比べて硬さの低下は大きいものの、破断変形率の低下度は小さく粘りが保持されることを明らかにした。キラリモチ粉は糯米粉より加工に適した生地水分範囲が大きいことを明らかにした。 b) 高β-グルカン含量オオムギの加工による香気成分の変動については、米粒麦粉(米粒状に加工した精麦の粉)に加水、30℃、18時間保温で、においの改善が期待できることを明らかにした。また、中程度(180~200℃)の焙煎で甘い香りが強くなることや、米粒麦より原麦を焙煎する方がにおい改善効果が高いことを明らかにした。 複合抵抗性を有する安定多収品種・系統の育成に関しては、 a) 「関東皮98号」については、配付各県で千粒重が重く多収であることが示された。また「関東皮糯99号」を開発した。 この系統は日長反応遺伝子HvPhyCとHvCK2αの遺伝子型が晩生型で、出穂期が安定することが期待できる。 b) 北陸向けの病害抵抗性遺伝子を導入した系統については、多収で焼酎醸造適性の優れる「北陸皮50号」を品種登録出願した。また、精麦品質に優れる系統「北陸皮53号」など5系統を開発した。 c) 温暖地西部向け麦味噌用高品質多収系統については、「長崎裸1号」を、平成27年度に品種登録するために、次点の「長崎裸3号」とともに最終的な生育調査試験に供試した。 飼料用大麦系統に関しては、 多収性の「はるか二条」を遺伝的背景とした材料により、無芒と三叉芒は嗜好性に優れ、かつ無芒が最も嗜好性が高いことを確認した。 |
カテゴリ | 大麦 加工 小麦 需要拡大 飼料用作物 水田 多収性 抵抗性 病害抵抗性 品種 輪作 |