多様なニーズに対応する安定多収な茶品種の育成と安定生産技術の開発

課題名 多様なニーズに対応する安定多収な茶品種の育成と安定生産技術の開発
課題番号 2014025555
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 荒木琢也
根角厚司
協力分担関係 筑波大学
生物研
静岡県農林技術研究所茶業研究センタ
鹿児島県農業 開発総合センター
静岡県大
岩手県大
宮崎県
カワサキ機工
基礎生物学研究所
JAかごしま茶業
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 病虫害複合抵抗性や多様な香味を持つ安定多収チャ品種の育成に関しては、
a) 輪斑病、炭疽病、クワシロカイガラムシに複合抵抗性の品種として育成した「なんめい」は、チャ育成系統評価試験、輸出対応型栽培試験において、製茶品質も優れていることを明らかにした。
b) チャ系統のチャノミドリヒメヨコバイに対する抵抗性は、チャノミドリヒメヨコバイの甘露排出量と甘露中のアミノ酸含有量により評価できることを明らかにした。
c) 昆虫が吸汁する植物部位等を解析できるEPGシステムを用いて、チャノミドリヒメヨコバイは師管と葉肉の両方から吸汁すること、抵抗性チャ系統上では師管からの吸汁時間が顕著に短くなることを明らかにした。
d) 赤焼病防除効果に優れる新規登録の塩基性硫酸銅殺菌剤は、マシン油散布前にも適用可能であることを明らかにした。また、マシン油散布後の赤焼病細菌接種は発病の品種間差を安定して評価できることから、抵抗性品種の選抜手法として利用できる可能性を示した。
e) 滋味と色沢に優れ、さらに被覆適性を有する「枕崎32号」を品種登録候補として選定した。
f) 茶品種「そうふう」の香気に寄与するアロマプロファイルを明らかにし、花様、果実様の匂いが強いこと、「そうふう」らしい香気を活かすためには、摘採前の被覆は行わず、原葉としては普通芽(硬葉芽は適さず)を用いて、普通蒸しにすべき(深蒸しは適さず)ことを明らかにした。
タンニン類の新しい機能性成分を多く含む系統の開発に関しては、アントシアニン高含有品種「サンルージュ」の摘採適期判定には市販のアントシアニンメータを利用できることを明らかにした。また、生葉蒸熱後の製茶工程の違いは、新芽内のアントシアニン含有率に影響しないことを明らかにした。
省力で低コストな乗用機械化一貫作業体系の開発に関しては、
a) 施肥ユニットコントローラのソフトウエアを改造し、肥料物性にかかわらず目標散布量を設定できるようにして実用性を確保した。散布精度は、実用的な作業速度の範囲(0.4-0.7m/s)において変動係数が3.2%と高い精度を得た。
b) 試作機を用いた樹冠下幅広施肥による減肥栽培試験において、3年目の収量及び荒茶品質を評価し、一番茶製茶品質は、30%減肥でやや劣るが、一番茶及び二番茶の生葉収量には減肥栽培による影響は見られないことを明らかにした。
c) 樹冠下幅広施肥による減肥栽培試験を4年間継続して行った園地の土壌を分析し、土壌のpHと塩基含量はうね間、樹冠下とも茶園土壌の改良基準に収まることを明らかにした。
d) 調査した市販機の作業能率等から主要作業別・旬別の作業時間モデルを作成し、摘採、整枝、施肥等については、作業の分散化や機械装備の見直し等が必要であること、施肥と施肥後の中耕作業を同時に行うと年間413時間の作業時間を276時間に削減できる可能性があることを示した。
このほか、
a) SSRマーカー23座の遺伝子型データから、現有のチャ遺伝資源は3グループの集団遺伝構造を示すことを明らかにした。さらに、本遺伝子型データに基づき選定したコアコレクションは、表現型(花器形態、一番茶新芽内化学成分)でも十分に多様性をカバーすることを明らかにした。
b) 緑茶製造時の蒸熱時間が増加するに伴い、水不溶性ペクチンがβ脱離による分解を受けて水溶性化・低分子化し、茶の渋み低減に有効な茶葉中の水溶性ペクチン含量が増加することを明らかにした。
カテゴリ 肥料 病害虫 遺伝資源 機械化 機能性成分 施肥 炭疽病 茶 抵抗性 抵抗性品種 低コスト 品種 防除 輸出

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