受精・妊娠機構の解明と調節による雌牛の繁殖性向上技術の開発

課題名 受精・妊娠機構の解明と調節による雌牛の繁殖性向上技術の開発
課題番号 2015027797
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 産総研
根釧農試
名古屋大
東京農工大
NTTドコモ
家畜改良センター
各県公設畜産研究所
日産合成工業(株)
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 発情微弱化要因の解明と発情発現の明瞭化方策に関しては、_x000D_
a) ニューロキニン受容体作動薬であるSenktideの腟内投与が性腺刺激ホルモン分泌を亢進することを明らかにした。_x000D_
b) 分娩後40日以降の黒毛和種繁殖牛に腟内留置型徐放性黄体ホルモン製剤とエストラジオール製剤をベースとした発情・排卵誘起処 置を適用することにより、高率に明瞭な発情と排卵を誘起することができ、処置後の人工授精による受胎率及び1年1産達成率は自然発情群と同等以上となることを明らかにした。_x000D_
c) 黒毛和種の発情期に歩数並びに体温が乗駕許容頻度と同様に推移することを確かめ、歩数や体温のセンシングが発情の検知のみな らず、その様相をも把握できる有用なツールとなり得ることを示した。_x000D_
d) 腟温による発情判定は、鈍性発情などの影響を受けにくく、歩数と比較しても発情の同期化によっても高い検出率が得られること を明らかにした。_x000D_
e) 受胎牛の体温が高く維持されることを利用した腟温による受胎判定を試み、環境温の影響を考慮した判定法を開発することにより 判定精度が向上することを明らかにした。_x000D_
f) 体表温センサを用いてホルモン製剤投与時の体温応答を調べたところ、PGF2α投与後の最高温から排卵時間を予測できることが示 唆され、体表温は日内変動すること、外気温、特に最低温により影響を受けることを明らかにした。_x000D_
妊娠維持機構の解明と妊娠のモニタリング指標の策定に関しては、_x000D_
a) 妊娠維持機構の解明に向け、低受胎牛の子宮内膜では、ミトコンドリアDNAコピー数が多い一方で、組織重量当たりのATP量が低い ことを明らかにし、子宮内膜におけるミトコンドリアの機能異常が不受胎の一因となっている可能性を示した。_x000D_
b) 受胎性評価技術について、評価時期の拡大、評価に適したオキシトシン投与量の設定、採血操作の簡便化、コスト削減を実現した 。また、受胎性評価の指標であるオキシトシン感受性は分娩後の子宮機能評価にも適用可能であることを示した。_x000D_
黄体機能の賦活による受胎率向上技術に関しては、凍結・融解・培養した栄養膜小胞と胚との共移植、あるいは胚のみの移植を実施した結果、受胎率は、共移植区がやや高いものの統計的な有意差は認められず、胚と栄養膜小胞との共移植による受胎率向上効果を明らかにすることはできなかった。_x000D_
抗酸化機能性物質等を活用した繁殖性改善技術に関しては、_x000D_
a) 初産乳牛の飼料中非線維性炭水化物水準は、30%及び39%では泌乳成績や繁殖成績が低下し、34~36%が相応しいことを明らかに した。_x000D_
b) 分娩後3日の初産牛に市販のビタミン製剤(ビタミンA・E混合、あるいはA単体、E単体)を大量に単回投与すると早期に排卵するこ と、ビタミンA剤大量投与後の初乳中ビタミンA濃度は子牛に与えても問題ないレベルであることを明らかにした。_x000D_
c) 乳用経産牛に分娩予定の3週前から分娩後12週まで日量10gの活性型酵母を給与したところ、分娩前後の飼料が切り替わる時期にル ーメン内pHの安定性が向上することを明らかにした。_x000D_
d) 分娩後潜在性ルーメンアシドーシスになりやすい牛は、分娩前からルーメン内pHが低い傾向にあり、免疫機能にも異常のあること を明らかにした。_x000D_
e) これまで得られた成果により、抗酸化機能性物質や抗菌物質等の給与を活用した周産期乳牛の繁殖機能を健全に発現させる飼養技 術を確立した。_x000D_
f) 胎盤剥離誘導製剤の実用性を簡便に検証するためのモデルとして、二重培養皿上で子宮上皮細胞と受精卵の共培養を行い、重層構 造を有する剥離試験に利用可能なin vitro評価系を確立した。_x000D_
g) 暑熱や泌乳による酸化ストレス下で繁殖機能改善効果のあるアスタキサンチン(ファフィア酵母)高含有補助飼料の長期保存法を 確立した。また、牛が経口摂取したアスタキサンチンは消化管から吸収され、有効量が血液中に移行することを明らかにした。_x000D_
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このほか、_x000D_
a) 受精後14日の伸長胚の性判別を行った後、採胚用バルーンカテーテルやシース管を改良した移植器を用いて移植する方法により従 来の胚移植と同等の受胎率を達成し、顕微鏡を用いず農家の庭先でも実施可能な雌雄産み分け技術を開発した。_x000D_
カテゴリ 育種 機能性 コスト 飼育技術 受胎率向上 センシング 乳牛 繁殖性改善 評価法 モニタリング

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