課題名 | 信頼性確保のための原材料・生産履歴判別等の技術開発と標準化 |
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課題番号 | 2015027850 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
国立医薬品食品衛生研究所 農林水産消費安全技術センター 森林総合研究所 理研ビタミン株式会社 酒類総合研究所 長野県工業技術センター 穀物検定協会 東京大学 近畿大学 東京電機大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 米の品種識別法に関しては、リアルタイムPCRによる品種の真贋と混入の有無を短時間に検出できる分析系を用いて、品種混合サンプルの品種構成(うるち米の主要30品種)を短時間に検出できるPCRアレイを確立した。この検出系により、米粉や米飯の品 種構成を検出できること、さらに、その混合比率も推定可能であることを明らかにした。 農産物・食品の産地等を高精度で判別する技術に関しては、 a) アカシアを蜜源とした日本産ハチミツ70試料と中国産ハチミツ50試料について、蛍光指紋を説明変数、産地を目的変数とするrandom forest法により、誤判別率5%の精度で産地判別ができ、従来の正準判別手法(誤判別率10%)に比べて大幅に精度が向上した。 b) 原木栽培及び菌床栽培の乾シイタケについて、国産と中国産の炭素・窒素同位体比分析により、国産と中国産の産地判別が可能と なった。さらに、微量元素との組み合わせにより、産地判別の正確さが向上した。また、酸素・水素同位体比分析により、ウィスキー及び焼酎の産地判別の可能性が明らかになった。安定同位体比分析により、パン中の小麦粉の産地判別の可能性も確認した。 c) 米粉を用いた炭素・窒素安定同位体比技能試験を国内16研究室で実施し、その結果をもとに軽元素同位体比分析のマニュアルを作 成した。 d) 試験室間共同試験のデータベースに、定量及び定性試験室間共同試験の論文(24報と7報)を追加し、食品中のカビ毒定量法(LC、LC-MS/MS、LC/MS、TLC、HPTLC、GC/MS)の傾向分析を行った結果、カビ毒定量法によるカビ毒定量は同じ分析法を用いたカビ毒以外の成分の定量に比べ、室間共同試験に参加する試験室数が多く、試験室間共同試験の成功率が高い傾向が明らかになった。 低レベル放射線照射履歴の検知技術の開発に関しては、実用的照射食品である香辛料、甲殻類(エビ・カニ)、アサリ、バレイショの検知に利用できる検査法を取りまとめ、食品マトリックスや線量範囲に応じたスクリーニングから確定法までの段階的な適用法を確立した。 GM農産物における新規系統の検知技術の開発に関しては、 a) 新規承認GMダイズ及びトウモロコシそれぞれ1系統ずつ、合計2系統についてリアルタイムPCRを用いた定性検知法を開発した。また、新規承認GMダイズMON87769の系統特異的定量検知法を開発した。GMトウモロコシ3272系統の特異的定量分析法を開発し、試験室間共同試験を実施し、妥当性確認試験を行った結果、定量下限値は0.5%以下であることを明らかにした。 b) Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP)法に基づく簡易迅速検知法開発においては、試料の前処理から結果が得られる までに合計1時間未満の検出系を確立した。安全性未審査の組換え農産物を幅広く検出することができるリアルタイムPCRアレイ法を開発し、平成27年度から農林水産省通知検査法として、輸入されるワタ種子のモニタリング検査に採用された。 c) モデル試料として調製したGMトウモロコシ及びダイズに含まれる組換えDNA配列をイネDNAに混入させた未知組換え体を、次世代シ ーケンサーで解析し、その解析結果と組換え体の塩基配列データベースを照合することで、組換え体の混入を検知できることを確認した。 d) 加工食品のGM検知で、検知対象とする内在性遺伝子と組換え遺伝子うち前者を検出するPCRの増幅長を長く設計すると、加工度が進むほど、算出される混入率が過大評価されることを明らかにした。 分析値の保証に資する標準物質等の開発に関しては、GMトウモロコシ及びダイズの認証標準物質(CRM)の頒布を継続し、今年度は、 合計4セットを頒布した。 一般消費者の食品安全情報理解に関しては、ウェブサイト評価法を含んだアクセス解析システムの試験運用のために、そのアクセス解析システムを機構内の希望者が他のサイトでも簡単に利用できるためのツールに改良し、さらに、ユーザマニュアルを作成した。 |
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