代謝調節作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発

課題名 代謝調節作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発
課題番号 2015027864
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 鶴見大学
帯広畜産大学
浜松医科大学
金沢大学
京都大学
愛媛大学
弘前大学
北里大学
(株)えひめ飲料
旭松食品(株)
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 代謝調節機能性の評価技術の開発に関しては、
a) ケルセチンは、食餌性肥満モデルマウスの内臓脂肪の蓄積や活性酸素の産生を抑制し、種々の免疫細胞の増加や活性化を抑制する こと等により、メタボリックシンドロームの発症を予防すること、並びに、高濃度の1%ケルセチンを含む飼料を長期摂取した正常マ ウスでは、転写因子Nrf2の発現誘導を介した抗酸化酵素の誘導等により、肝臓や精巣周囲脂肪組織の酸化ストレスが軽減することを明らかにした。
b) 血圧降下ペプチド等を含むコムギふすま自己消化精製物の急性経口毒性試験(単回投与)を行い、試験動物の半数致死量であるLD50値は上限の2,000mg/kgを超え、毒性は低いと評価した。また、復帰突然変異試験により遺伝子突然変異誘発性を有しないことを確認 した。
c) 紫黒米炊飯物及びアントシアニン抽出物は、2型糖尿病モデルマウスの血漿動脈硬化指数等を改善し、アントシアニンが主な寄与成分であることを明らかにした。
d) イソフラボン等の投与による卵巣切除マウス唾液腺への効果の評価法として、Smgc遺伝子のmRNAレベルを測定するRT-PCR法が適し ていることを明らかにした。
e) ロスマリン酸は、食餌誘導性肥満マウスの血中サイトカインレベル等の改善効果を有することを明らかにした。
f) シアニジン-3-グルコシドを投与したラットにおいて、胆汁中への中性脂肪分泌量が増加することを明らかにした。
g) 三ヶ日町研究の10年間に渡る追跡調査から、β-クリプトキサンチンが脂質代謝異常症、2型糖尿病、肝機能異常症、動脈硬化症の リスクを低下させることを明らかにした。β-クリプトキサンチン高含有果汁飲料が空腹時の血糖値低下及びインスリン抵抗性改善効 果を有することをヒト介入試験で確認した。
h) リンゴのヒト介入試験から、リンゴプロシアニジンが糖尿病境界領域被験者の血糖値上昇を抑制することを明らかにした。
関与成分の科学的実証と農作物の生産方法及び食品開発に関しては、
a) カルシウム強化バレイショデンプンを用いたパウンドケーキは、処理前のバレイショデンプンを用いたものと比べ、体積、比容積 ともに10%以上大きく、ボリューム感があり、外観において優ることを明らかにした。
b) アントシアニンやカロテノイドを多く含むカラフルポテトにアミラーゼ及びペクチナーゼを単独あるいは組合せて処理することで 、糖含量が高く、粘度が高い、甘みと滑らかさが付与されたカラフルポテトマッシュを開発した。
c) アクアガス加熱は、茹で加熱に比べサツマイモ葉身のカフェオイルキナ酸類の含量が高く保持されるため、加熱を伴う工程におい て高品質な加工品製造が可能であることを明らかにした。
d) カゼイン食と比べ、高β-コングリシニンダイズで製造した豆乳食を摂取したラットの血清中性脂肪濃度は約29%、蒸しダイズ食群では約17%低下し、蒸しダイズでも、脂質代謝改善作用を示すことを見出した。
e) キクイモを焙煎することにより、ポリフェノール含量が約4倍、DPPHラジカル消去能が約5倍まで増加し、イヌリン含量は維持され ることを明らかにした。
f) エピガロカテキンとケルセチンの複合効果を検討し、0.03%の低用量でのフラボノイドの複合効果として、コレステロールの改善 効果が期待されることを見出した。

このほか、
a) サツマイモ茎葉ポリフェノールは葉身に多く含まれ、夏季に比べ春・秋季に含量が高くなり、栽培時の気温と葉身ポリフェノール 含量には負の相関関係があることを明らかにし、栽培時の過剰な温度上昇を抑制することで、ポリフェノール含量の低下が抑えられる可能性を示した。
b) ホウレンソウは春栽培よりも秋栽培でH-ORAC値やフラボノイド含量が高いことを明らかにした。
c) ソバ属のスプラウトは栽培中の受光量の増加にしたがいルチン含量が増加することを明らかにした。
カテゴリ 加工 きくいも 機能性 そば 大豆 抵抗性 ばれいしょ 評価法 ほうれんそう りんご

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる