きのこ類の多様な機能の解明

課題名 きのこ類の多様な機能の解明
課題番号 2001001175
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 きのこ・微生物 チーム長
森林総合研究所 きのこ・微生物 きのこ研究室
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的 きのこ栽培は生産量の増大及び栽培日数の短縮など量的栽培技術の開発が主体で、きのこの持つ多様な機能を利用した質的な栽培技術(例えば成分育種)の開発はあまり行われていない。本研究では、きのこの有効成分に与える菌株、栽培方法の影響を検討することにより、きのこの持つ嗜好性、栄養等の多様な機能を解明する。これらを行うことにより、きのこ単価を向上させ、農山村におけるきのこ栽培者の安定的な経営を目指す。 2.当年度の試験研究方法と成果  1)乾シイタケのにおい生成機構の解明 " ニオイ成分の代謝系に関与する物質の合成、精製を行い、乾シイタケのニオイ成分と同定された1,2,4-トリチオラン及びレンチオニンの合成及びその中間体であるレンチニン酸を抽出精製した。"  2)省資源型栽培技術の開発  食用油製造での副産物(大豆皮、大豆粕、抽出油、溜出油)、食用油製造での廃棄物(ソーダ油滓、白土滓、脱ロウ滓)、コーンスターチ製造での副産物(コーンスチーブリカー、ジャーム粕、グルコース液、グルテンフィード、グルテンミール)、コーンスターチ製造過程での廃棄物(廃珪藻土、廃活性炭、廃酵素)を使用してヒラタケ栽培を行った。溜出油はビタミンEを多量に含んでいるため、溜出油置換培地で栽培した子実体のビタミンE分析を行った。その結果、コーンスチーブリカー、グルコース液、グルテンフィード置換培地は、ふすま培地より収量が少なかった。それ以外の置換培地は、ふすま培地より収量が同程度かそれ以上であった。特に大豆皮、ジャーム粕、廃酵素、廃珪藻土置換培地は収量が多かった。溜出油置換培地で栽培した子実体のビタミンE分析の結果、無置換培地が未検出であったのに対して、置換培地は12μg/100g乾燥重であった。これらの成果は、企業のゼロエミッション化(廃棄物0%)に寄与する。 3)きのこ類に含まれる機能性成分の探索と高生産菌株の育種  シイタケに含まれているビタミンDの測定及びカルシウム含有量増加の検討を行った。その結果、試験に供した乾しシイタケ中のビタミンD2含有量は僅かであったが、ビタミンD2の出発物質であるエルゴステロールは1mg/g以上含まれていることが明らかとなった。一方、カルシウムは微量しか蓄積されていなかったため、各種添加物を培地に添加して栽培した結果、塩化カルシウムの添加が最も効果的であることを明らかにした。 また、採集した菌株を用いて木粉中のリグニン分解量を測定した結果、最も分解する菌株で約26%であった。これらにより、きのこが持つ多様な機能の1つを明らかにした。
カテゴリ 育種 乾燥 機能性成分 経営管理 栽培技術 しいたけ 大豆 大豆粕

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