課題名 | c.高品質安定生産のための農業気象災害警戒システムの開発 |
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課題番号 | 200709538 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,農業気象災害研究チーム 農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,農業気象災害研究チーム |
協力分担関係 |
筑波大学 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2007 |
摘要 | 1)水稲では、作期分散に移植時期が最も大きく影響するが、栽植株密度と苗種類も品種早晩性に匹敵する効果があり、高温耐性の弱い品種では高温登熟による米品質低下を作期分散で回避できた。穂温と受精率のモデルを作成し、穂温が白未熟粒の発生率に及ぼす影響を調べると、品種間差があり、「ヒノヒカリ」では温度以外の要因(水ストレスなど)も関与していると考えられた。2)小麦では、播種日から収穫期までの発育段階を推定する農林61号のモデルを作成し、出穂・開花期については「チクゴイズミ」、「農林61号」、「シロガネコムギ」の精度の高いモデルを作成した。子実の発芽率は、履歴の影響を強く受け、含水率70%から生理的成熟期までの気象条件から、収穫期の発芽率がある程度推定出来ることを示した。かび毒は水濡れ期間が長いほど高濃度で検出されたが、赤かび病菌を接種してから散水を開始するまでの期間には関係なかった。3)大豆畑の蒸発散はHargreaves式と作物係数で精度良く推定可能であること、土壌水分モデルでは乾燥による土壌の収縮・亀裂を考慮して補正する必要があることを明らかにした。これらに基づき、土壌水分モデルを作成した。夏期のかん水で収量が増加し、成熟期の葉の枯れ上がりが早まることを確認した。キャベツだけでなく、はくさいでも発育に関わる品種特性は主として早晩性で表され、栽培期間は種苗カタログから推定できる可能性が高かった。全国主要市場の日別の青果物市況情報を入手し、キャベツの作期変動と気温の年々変動の関係、産地間連携の実態を明らかにした。気候緩和評価モデルで3時間ごと10km間隔で提供されるメソ解析値GPVを利用して、局地の気象を推定可能とした。4)関川流域の積雪相当水量を85-86冬から06-07冬までの22冬について調査解析し、春の融雪に伴う水田用水としての賦存量とその変動を評価した。その結果、従来安定していると考えられてきた山地の積雪も最大年と最小年とで2~3倍と大きく変動することが明らかになった。5)気象庁が国際規約に基づいた圧縮形式で提供しているメソスケール再解析値ならびにメソ数値予報モデルによる物理量等のデータをデコードして、気候緩和評価モデル等に利用するソフトウェアを開発した。 |
カテゴリ | 乾燥 キャベツ 高温耐性 小麦 水田 水稲 大豆 はくさい 播種 品種 |