b.草地生態系の持つ多面的機能の解明

課題名 b.草地生態系の持つ多面的機能の解明
課題番号 200709611
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,草地多面的機能研究チーム
農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,草地多面的機能研究チーム
協力分担関係 農業環境技術研究所
農業生物資源研究所
家畜改良センター宮崎牧場
群馬畜試
群馬県西部家畜保健衛生所
栃木県県央家畜保健衛生所
北海道立根釧農業試験場
東京大学
大阪府立大学
信州大学
研究期間 2006-2010
年度 2007
摘要 1)有機物施用が草地の温室効果ガスの収支に与える影響を明らかにするため、堆肥散布量を0~300 t ha--1yr--1 の範囲で変えた草地でメタン、亜酸化窒素フラックスを測定した結果、散布量の増加に伴ってメタンの吸収量は変化しないが亜酸化窒素の排出量は増加し、ガスの収支から見て温室効果に与える影響は少ないものの、堆肥散布量の適正値を遵守して亜酸化窒素の排出量を抑えることが望ましいこと、CO2に関しては草地更新直後に土壌呼吸量が増大するが2~3週間で急速に低下すること、また堆肥施用により草地への炭素固定量を増大させることが可能であることを明らかにした。2)放牧による獣害抑止効果について、ニホンジカを対象とする獣害対策として放牧を導入するだけでは必ずしも有効でないことを明らかにした。また、植物や昆虫のレッドリスト情報や遺伝子を分析して草地の生物多様性保全機能を評価し、多様性保全機能を総合的に評価するための、複数の生物分類群に関する情報を用いた評価指数を提案した。3)菌根共生成立に重要な遺伝子の同定に向けて、マメ科モデル植物ミヤコグサ2万株から菌根菌共生を示す変異体4株を選抜した。また、リン酸供給能の高い菌根菌ほど宿主におけるCdの吸収や毒性の低減に寄与していることなど微生物機能を活用したカドミウム汚染修復技術の開発につながる知見を得た。4)管理法が異なる場合の東北地域のススキ草地について30年間の植生遷移の方向をモデルで予測した結果、刈り取り処理ではススキが高い割合で維持されるが、放牧処理や放任処理ではススキの優占率が70%から30%~22%に減少し木本植物が増加すると予測され、ススキ草地の適正管理に向けた数量的予測が得られた。
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