課題名 | 飼料イネの高位調製貯蔵技術及び肥育牛を対象とした調製給与技術の開発イ.肥育牛を対象とした脱カロテン型収穫調製技術の開発(ア)立毛乾燥による脱カロテン効果の解明 |
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研究機関名 |
山形県農業研究研修センター畜産研究部 |
研究分担 |
草地環境科 |
研究期間 | 継H14~15 |
年度 | 2003 |
摘要 | 目的:飼料イネについては、水田の多面的機能維持や飼料自給率向上の観点から今後とも相当程度の拡大が見込まれる中で、イネロールラップサイレージの発酵品質のバラツキや長期貯蔵後の品質劣化が大きな問題となっているため、ラッピングの多重化や各種添加物の効果を確認し高位調製貯蔵技術の開発に資する。また、飼料イネの利用は現段階では乳用牛と繁殖牛に限られており、肥育牛での利用においては脱カロテンが課題であり、その手法としての立毛乾燥(収穫遅延)、天日予乾の効果を確認し肥育牛を対象とした調製給与技術の開発に資する。方法:(1) 供試材料として中山間地農業研究部で移植栽培した6品種(ふ系飼206号〔No.1〕、ゆめさやか〔No.2〕、はなの舞〔No.3〕、はえぬき〔No.4〕、庄2956〔No.5〕、庄多3239〔No.6〕)について、成熟期、1週後、2週後、3週後、4週後に茎葉部を試料として採取し分析に供した。(2)β-カロテンの分析は、乾燥粉砕試料にピロガロール(酸化防止剤)を加えエタノールで抽出ろ過、その定容試料に60%KOHを加え56℃水浴中で20分間撹拌けん化後、1%NaCl、2-プロパノール、1:9酢酸エチル:n-ヘキサンを加え10分間振とう後に遠心分離(1500rpm、10分間)し、上層の油層を回収し(1:9酢酸エチル:n-ヘキサンを加える以降を2反復)、油層をエバポレーターで濃縮し、乾固後にエタノールで定容し、分光光度計(455nm)による濃度測定値から計算した値をβ-カロテン含有量とした。結果の概要:(1)供試材料の成熟期はNo.1~No.3、No.5~No.6が平成15年9月16日、No.4が9月29日と思われた。それぞれの立毛乾燥中の気象経過としては降水量が各週であり、日照時間、日射量が少なめであった。(2)乾物率の推移では、成熟期と4週後の比較からみるとNo.1を除いては3%以内の増加しかなかった。これは立毛状態での茎葉部の水分は降雨による土壌水分の影響を大きく受けていることによると考えられた。また、No.1は成熟期の乾物率が他に比較して著しく低く、まだ成熟期に達していなかったと考えられた。(3)β-カロテン含有量では、全体的にみて低減傾向は示しているものの、採取試料の関係からか時期毎の数値にバラツキがあり日照時間、日射量との量的関係を明らかにすることはできなかった。今後の問題点と次年度の計画:試料の採取方法も含めて精査の必要あり。 |
研究対象 | 飼料イネ |
戦略 | 畜産 |
専門 | 飼養管理 |
部門 | 草地・飼料作 |
カテゴリ | 乾燥 飼育技術 水田 中山間地域 長期保存・貯蔵 繁殖性改善 品種 保存・貯蔵 |