給与飼料改善による生乳中共役リノール酸(CLA)含量向上技術

タイトル 給与飼料改善による生乳中共役リノール酸(CLA)含量向上技術
担当機関 根釧農試
研究期間 2000~2003
研究担当者 高橋雅信
昆野大次
西村和行
糟谷広高
本郷泰久
発行年度 2003
要約 生乳中の CLA 含量は、グラスサイレージ給与と比較して放牧草利用時、特に放 牧開始直後に高い値を示す。また、全粒大豆や米ヌカなどの高油脂含量飼料の併給は、 CLA 含量を高める。
キーワード 乳用牛、畜産物、共役リノール酸、CLA、機能性、放牧
背景・ねらい 反芻動物の乳や肉に含まれる脂肪酸の一種である共役リノール酸(conjugated linoleic acid : CLA)は、抗腫瘍作用、免疫賦活作用などを示すことが報告されている。そこで、 生乳脂肪中の CLA 含量の動態と変動要因を検討し、さらには、粗飼料と併給飼料の種類 や質が CLA 含量に及ぼす影響を検討した。
成果の内容・特徴 1.牛乳中の CLA 含量は、放牧開始直後に高まってから 7 月後半にかけて漸減し、その 後、放牧終了時までほぼ一定の値で推移する。放牧飼養期間中は、牧草サイレージ主体の 粗飼料給与の期間よりも高い値を示す(図 1)。乳脂肪酸中の CLA 割合も CLA 含量と同じ 推移を示す。 2.分娩後経過日数、日乳量、乳脂肪率の要因については、CLA 割合に対する有意な影響 が認められず、生産月と放牧草粗脂肪(EE)摂取量/乳量 1kg要因については、有意な影 響が認められる。生産月と放牧草 EE 摂取量/乳量 1kg との間の交互作用は有意ではないこ とから、放牧草の質的要因が CLA 割合に影響すると考えられる(表 1)。 3.刈り取り時期の異なる牧草サイレージ主体の粗飼料給与時に、全粒大豆あるいは米ヌ カを併給濃厚飼料に加えると、早刈りおよび遅刈りのどちらの牧草サイレージ給与時にお いても乳脂肪中の脂肪酸組成が変化し CLA 割合(表 2,3)と CLA 含量が高くなる。
成果の活用面・留意点 1.個別農家あるいは農家集団が、放牧等の飼養条件を特徴とする生産を意図し、飼養 条件と結びついた牛乳の特徴をアピールするために本成績の知見を活用できる。 2.CLA有効量等に関しては現在も研究が進行中であるため、牛乳そのものの機能性の 多寡については今後の知見を待って議論する必要がある。
カテゴリ 機能性 大豆

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