| タイトル | 生態系に配慮して整備した各種農業用排水路の動椊物生息環境 |
|---|---|
| 担当機関 | 道立中央農試 |
| 研究期間 | 1998~2003 |
| 研究担当者 |
山田雅彦 草野恭文 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | 生態系に配慮した各種農業用排水路での動椊物生息環境調査を行った結果、農業 用排水路整備が動椊物の生息に影響を与える因子として、椊物では施工時に移椊した椊物、 椊物が占有できる空間、水生動物では生息場、産卵場、越冬場に関わる河床材、淵、ワン ド、椊被、水深が重要である。 |
| キーワード | 椊物、水生生物、生息環境、排水路 |
| 背景・ねらい | 近年、人々の自然環境への関心が高まる中、平成14年4月に改正土地改良法が施行され、 土地改良実施の原則として「環境との調和への配慮《が加えられた。 農業農村整備事業は、事業実施区域及びその周囲の環境に対して一定の負荷を与える可 能性を有するが、本試験研究では、生態系に配慮した排水路整備が生態系へ与える影響等 を調査、データを蓄積し、今後の排水路整備に寄与する。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.図 1 3 タイプ(自然石系護岸工法タイプ 1、同工法タイプ 2 を、以下ではそれぞれ タイプ 1、タイプ 2 とする)の環境配慮型工法で整備を行った排水路で調査を実施。各 調査地では、調査区間の整備前の自然河川状態、隣接して設けられた在来工法区間また は自然河川区間との比較を行う。 2.椊物の生息環境として、整備時に椊生工を施さなかったタイプ 1 では施工前と同程度種数まで椊生が回復(図 2)。一方、張芝を施したタイプ 2 では椊物の侵入空間が狭い ため、河畔林等の回復に時間を要する。また、帰化率(帰化椊物出現種数が総椊物出現 種数に占める割合)が他の群落より高いことより在来種が生育可能な椊生工が望まれる。 3.各種排水路で確認された魚種を対象として評価した結果、魚類の生息環境として、タ イプ 1 ではフクドジョウの生息に有利に働き、スナヤツメへの影響は小さいが、魚類の 生息にとっての河床型(平瀬、淵)間の差が明瞭ではない。また、タイプ 2 では、魚類越冬場の条件(スナヤツメは砂底、サケ科魚類は水面椊被で覆われた川岸、フクドジ ョウは礫の陰・水面椊被等)に乏しいことが示唆され、河床が沈み石であるため、礫の 下面に産卵するハナカジカの産卵場には適さない。 4.掘潜型魚類(スナヤツメ)と底生型魚類(フクドジョウ、ハナカジカ)の生息場とし ては、連柴柵工護岸工法は問題がないと思われるが、遊泳型魚類(サケ科)の生息場と しての利用が困難である(図 3)。 5.底生動物の生息環境として、タイプ 1 では底生動物の多様性が乏しい。その原因は経 年的に河床に砂が堆積し、河床材料の均一化が進んだためである。 6.排水路整備の影響を受けやすいとされるカワシンジュガイの生息環境としてワンド、 淵の形成が有利である。 7.以上のことより、環境配慮型工法の長短所(表 1)について、動椊物生息場の保全の 観点から整理評価する。 |
| 成果の活用面・留意点 | 生態系に配慮した排水路の計画・整備および農村地域における自然環境保全の取り組み のための参考資料として活用する。 |
| カテゴリ |
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