| タイトル | 倒伏浸水したイネからの玄米のマイコトキシン汚染 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)食品総合研究所 |
| 研究期間 | 2003~2004 |
| 研究担当者 |
田中健治 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | コメは、マイコトキシン汚染の少ない穀物である。ところが、1998年には、台風で倒伏し 水に浸かった稲があり、得られた玄米の多くは褐色に着色していた。この年は、国内では ムギの赤かび病が大発生した年でもあったので、このコメについてトリコテセン系マイコ トキシンの抽出を行い、分析した。その結果、デオキシニバレノール(DON)、フザレノン -X(Fus.-X)、ニバレノール(NIV)のトリコテセン系マイコトキシンが検出された。コメ での DON汚染は報告されているが、 Fus.-X汚染報告は初めてである。 |
| キーワード | 浸水、コメ、マイコトキシン汚染、GC-MS |
| 背景・ねらい | コムギに Fusarium 属菌が感染すると赤かび病が発生し、しばしばデオキシニバレノール(DON)やニバ レノール(NIV)等のトリコテセン化合物に汚染される。1998 年には、コムギの赤かび病が多発した。こ年、台風が襲来し稲が水に浸かるという事故が発生し、籾すりをした玄米が褐色になったものがあった。 コムギが赤かび病になった田圃では Fusarium 属菌が多く残っていると考えられ、この玄米に赤かび病菌が 感染しトリコテセン汚染が起こっていることが推察されたので、分析を行った。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.コメはマイコトキシン汚染の少ない穀物であるが、上記の玄米をトリコテセンについて分析した結果、 DON、フザレノン-X(Fus.-X)、 NIVトリコテセン系マイコトキシンが検出された。確認するため、 標準トリコテセンを TMS 化したものと玄米からの抽出物を Romers 社製の#227カラムを使用し精製 した濃縮物を TMS 化して、GC-MS で分析した。結果を図1に示した。左側部分は、TMS 化した標準ト リコテセンのトータルイオンクロマトグラムと DON、Fus.-X および NIVマススペクトルを示してお り、右側部分は、TMS 化した玄米抽出物のトータルイオンクロマトグラムと Peak 1、Peak 2、Peak 3マススペクトルを示している。このように、Peak 1 は DON、Peak 2 は Fus.-X、Peak 3 は NIV とマ ススペクトルが一致したので、分析した玄米中にはこれらのマイコトキシンが含まれていたことが明 かとなった。 2.ECD-GC で分析したトリコテセンの含有量は、表1に示した。No.2サンプルでは、DON、Fus.-X およ び NIV がかなりの濃度で含まれていた。 3.コメでの DON汚染は報告されているが、 Fus.-X汚染報告は初めてである。 |
| 成果の活用面・留意点 | 異常な状態の玄米からではあるが、トリコテセン系マイコトキシンが検出された。コメは籾殻に包ま れ、今まではマイコトキシン汚染は少ないと考えられてきた。今後は開花期、収穫期などに多雨な時期 を過ごしたコメについては、マイコトキシン汚染の可能性を考えていかなければならないと思われる。 倒伏したイネが浸水した場合の対処法は、トリコテセン系マイコトキシンの汚染が考えられるので、着色 していればそのまま食用とすることは、見合わせた方がよいであろう。 |
| カテゴリ |
| 果実の成熟を制御する転写因子 |
| 33. グルテニンに(5+10)サブユニットを保持した小麦の製パン性 |
| NMR局所スペクトル法による食品成分の分布の画像化 |