| タイトル |
33. グルテニンに(5+10)サブユニットを保持した小麦の製パン性 |
| 担当機関 |
食品総合研究所 |
| 研究期間 |
1998~1998 |
| 研究担当者 |
高野博幸
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| 発行年度 |
1998 |
| 要約 |
国産パン用小麦の育種・開発で得られた系統の各種製パン性を調べた。グルテニンに(5+10)サブユニットを保持した系統の中に、生地物性が比較的優れたものがあった。ファリノグラフのV.V.とパン品質の間には有意な正の相関が認められる。
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| 背景・ねらい |
高品質国産パン用小麦の育種において、パン用小麦の品質に重要といわれるグルテニンに(5+10)サブユニットを保持した小麦が育種・開発されている。そこで、平成8年度から3年間、同一品種を入手し60%粉について糊化特性試験、 生地物性試験及び製パン試験などを行い、(5+10)サブユニットの有無による製パン性を明らかにする。
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| 成果の内容・特徴 |
- 道立北見農試産の(5+10)サブユニットを保持した春のあけぼのは、3年間とも小麦粉の蛋白質含量がパン用粉としては低く(10.4%)、他の品種はパン用粉として十分な白質含量(11.9%以上)を保持していた(図1)。
- アミログラフによる糊化特性試験の結果、道立北見農試産は東北農試産に比べ低アミロ傾向が強く、特に(5+10)サブユニットを保持していない系統は3年間ともこの傾向が顕著であった(図2-1)。
- 低アミロは生地物性にも悪影響を及ぼし、特にファリノグラフのV.V.及びエクステンソグラフのR/Eが劣っていた(図2-2、2.-3)。製パン性に対しては、パン体積よりもパン品質に悪影響が表れていた(図2-4、2-5)。
- (5+10)サブユニットを保持した小麦系統は、道立北見農試産に比べ東北農試産の方が収穫年次間差が比較的少なく、生地物性及びパン品質が優れており、特に東北205号はパン用小麦として期待できる品種といえる(図2-1から2-5)。
- 3年間の結果を統計処理し、特にパン比容積あるいはパン品質評価点との間に高い相関関係が認められる特性値を調べた結果、パン比容積とアミログラフのM.V.の間には負の有意な相関が認めらるが、パン品質評価点との間には有意な相関はない。パン品質評価点とファリノグラフのV.V.の間には正の有意な相関が認められる(表1)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 国産パン用小麦としては、蛋白質含量が高く、グルテニンに(5+10)サブユニットを保持した系統が、生地物性及びパン品質とも比較的良い。
- 低アミロ小麦系統からパン比容積の高いパンが得られるが、パン品質とは必ずしも一致しないので、製パン性の指標としてアミログラフのM.V.を適用することはできない。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
育種
小麦
品種
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