| タイトル |
脂溶性栄養・機能成分の消化・吸収における脂質の機能 |
| 担当機関 |
(独)食品総合研究所 |
| 研究期間 |
2002~2005 |
| 研究担当者 |
長尾昭彦
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| 発行年度 |
2005 |
| 要約 |
ホウレン草に含まれるβ-カロテンの消化性は油脂の添加によって促進されること、腸管混合ミセル可溶化β-カロテンの腸管上皮細胞への吸収はミセルの組成に大きく依存しリゾホスファチジルコリンによって促進されることを見出した。
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| キーワード |
カロテノイド、in vitro消化、油脂、混合ミセル、消化・吸収、リン脂質
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| 背景・ねらい |
野菜や果実に含まれるビタミンKやカロテノイド等の生活習慣病予防に関わる脂溶性栄養機能成分の 吸収性は油脂等に比べ著しく低い。そのため,加工,調理,食べ合わせ,サプリメント等を改善すること によって,生体利用性を高めることが望まれている。食品からのこれらの脂溶性栄養・機能成分の消化・ 吸収は,食品からの遊離,消化管内での分散,混合ミセルへの可溶化までの消化過程と,小腸上皮細胞へ取り込みとリンパ液への移行までの腸管吸収過程からなる複雑なプロセスである(図—1)。従来より 油脂の摂取が吸収を高めると言われてきたがその詳細な機構は明らかにされていない。本研究では,消化 及び吸収過程における脂質の役割を解析し、脂溶性栄養機能成分の吸収を調節する脂質素材開発のための 基礎的知見を得ることを目的とした。
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| 成果の内容・特徴 |
1.ホウレン草に含まれるカロテノイド(β-カロテンとルテイン)の消化性に対する油脂の影響を in vitro 消化系を用いて解析した。ホウレン草を2倊容の脱イオン水中でホモジナイザーを用いて破砕した。こホモジネートに各種脂質を加えin vitro消化を行った。消化後の可溶化カロテノイド量を分析するこ とによって消化性を評価した。その結果、油脂がほぼ完全に加水分解される条件下においては、β-カ ロテンの消化性は添加油脂量に依存して増大した。その消化性の増大は油脂の種類によって異なってい た(図-2)。脂肪酸メチルエステルを添加した場合,消化性増大効果は見出されなかった。油脂によ るβ-カロテンの消化性の促進には,モノアシルグリセロールなどの油脂加水分解物がβ-カロテンの可 溶化に関与していることが示唆された。 2.腸管上皮細胞への吸収における脂質の機能を解析するため、Caco-2 ヒト結腸がん由来腸管モデル細胞 への腸管混合ミセル可溶化β-カロテンの取り込みに対するリン脂質の影響を調べた。その結果、腸管 混合ミセルを構成するリン脂質がβ-カロテンの細胞への取り込みに大きく影響することを見出した。 リゾホスファチジルコリンは取り込みを顕著に促進し、ホスファチジルコリンは抑制することを見出し た(図-3)。同様な現象がマウスへの経口投与実験においても観察された。さらに、リン脂質の極性 基やアシル基の鎖長によって、取り込みに対する影響が大きく異なることを見出している。その作用機 構には,リン脂質の界面化学的性質,β-カロテンとミセルの親和性,リン脂質の細胞内代謝が関与し ていることが示唆された。
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| 成果の活用面・留意点 |
野菜・果実に含まれる脂溶性栄養・機能成分の消化・吸収性過程において、脂質成分が重要な働きをし ていることが示された。特異な効果を示す脂質成分を活用することによって、栄養・機能成分の消化・吸 収を調節する技術の開発が期待される。In vitro消化試験は,食品に含まれる脂溶性栄養・機能成分の消化 性の推定に利用することができる。
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| カテゴリ |
加工
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