米中の全窒素は、燃焼法によって再現性良く定量できる

タイトル 米中の全窒素は、燃焼法によって再現性良く定量できる
担当機関 (独)食品総合研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 法邑雄司
堀田博
発行年度 2005
要約 燃焼法(改良デュマ法)による米の全窒素測定の16試験室による室間共同試験を行い、室 間再現標準偏差(S R)は0.10~0.19%、室間再現相対標準偏差(RSDR)は1.03~3.03%、Ho rRatは0.39~0.75の結果が得られ、燃焼法は米の全窒素定量法として十分な測定精度と 再現性を持つ測定法であることが示された。燃焼法とケルダール法の測定値は各試料でほ ぼ一致し、試験室間の変動は燃焼法よりもケルダール法の方が小さかった。
キーワード 燃焼法、全窒素、ケルダール法、室間共同試験
背景・ねらい 食品の全窒素測定法として広く使われているケルダール分解法は、分析操作に濃硫酸や濃アルカリを使 用、設備としてドラフトが必要、銅含有廃液が出る、測定に最低3時間を要する、などの短所がある。その代替 法である燃焼法による全窒素測定は、通常の実験室内に設置した装置により数分間で測定でき、 AOAC イン ターナショナルの小麦や肉類の公定分析法となっている。そこで、燃焼法による全窒素測定を食品の公定分 析法として日本でも普及・採用されることを目的に、 AOAC インターナショナルの「穀類」の公定法では取り上 げられていない米を試料として室間共同試験を実施し、燃焼法がケルダール分析法と同等の測定精度や再現 性を有していることを確認する。
成果の内容・特徴 1. 均質性を統計的に確認した6点の米粉砕試料を、明示反復で2回、非明示反復で1回、試料の測定方法 などを記したプロトコール[同じ機器で測定。同一バッチの標準物質で校正。試料は100mg以上使う。3点 繰返しで測定し、室内再現性試験は3回、異なる日に行う(明示反復の場合)。1回のみ測定(非明示反復場合)。]を添付して16試験室に配付した。試験室間共同試験のHarmonized protocolに基づき、回収し た全窒素測定値を、Cochran検定、Grubbs検定により外れ値を棄却後、統計解析し、併行標準偏差(S r ; repeatability)や室間再現標準偏差(S R ; reproducibility)、RSDR、HorRatなどを算出した。なお、Youden ペア(測定対象物質の含量の差が5%以内の試料対)のS r は反復試料と別の計算式で求めた。
2. 燃焼法の3回の室間共同試験で得られた、検定で棄却済のデータによる解析値の含量範囲は、S r が0.02 ~0.06%、S R が0.10~0.19%、RSDRが1.03~3.03%、HorRatは0.39~0.75であった(表1)。これらの結は燃焼法が米の全窒素定量法としても十分な測定精度と再現性を有する妥当な測定法であることを示 していた。
3. 室間再現精度(S R2乗、分析誤差)の由来を、試験室間、試験室内(日間変動)及びその他の試験室内 (日内変動)の誤差に分けると、その80%以上が試験室間によるものであった。
4. 燃焼法とケルダール法による全窒素測定値を比較すると、各試料の測定平均値は±1%以内になり、試験 室間の変動は燃焼法よりもケルダール法の方が小さかった。
5. ある試験室のz-scoreは、試料が異なっても相関が高く、ほぼ同じ値となった(図1、2)。例示以外の試料・ 試験室でも同じ傾向であり、これは、各試験室の測定値には一定の偏りがあることを示していた(図2)。
成果の活用面・留意点 1.食品中の全窒素成分(粗たんぱく質)の公定分析法の一つとして燃焼法(改良デュマ法)を採用するため資料として活用される。
2. 現時点で、燃焼法(改良デュマ法)は参考法として全窒素測定に使用できる。
カテゴリ 小麦

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