香酸カンキツ‘長門ユズキチ’の生育調節剤利用による無核果生産技術

タイトル 香酸カンキツ‘長門ユズキチ’の生育調節剤利用による無核果生産技術
担当機関 山口県萩柑きつ試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者 杉本健治
村上哲一
中村光夫
発行年度 1996
要約 長門ユズキチ’の無核果安定生産をするためには、ネットハウス栽培で不完全自家不和合性を利用して無核とし、さらに着果率を高めるためにジベレリン50ppmを開花期から落弁期の間に1回散布する。
背景・ねらい  ‘長門ユズキチ’は、山口県北浦地方で古くから栽培されている香酸カンキツである。露地栽培香酸カンキツの搾汁開始時期は、8月中下旬からであるのに対して、‘長門ユズキチ’は7月下旬から可能である。しかし、種子が20~30個と多いのが欠点である。今までのネットハウス栽培試験で、‘長門ユズキチ’は無核果が生産できるが、着果率が著しく低く、小玉化することが明らかになっている。
 そこで、‘長門ユズキチ’の付加価値を高めるため、ネットハウスによって昆虫による他家受粉を防止するとともに、無核果の安定生産のためのジベレリン処理技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 長門ユズキチ’の露地栽培で、小さい無核果がわずかに混在し、花粉には発芽能力があるので、本種は不完全自家不和合性である。
  2. 開花期から落弁期にジベレリンの50ppmまたは100ppmを1回散布すると、着果率が無散布に比べ一様に2~3倍向上し、さらに、果実はほぼ無核となる(表1)。
  3. 果実の搾汁歩合は、いずれの時期、濃度の散布とも無散布と差異がない(表2)。
  4. いずれの散布時期、濃度の散布とも無散布に比べ、糖度は変わらず、クエン酸は同じかやや高く、この傾向は着色期までほぼ維持できる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 無核果の生産に必要な隔離期間は、開花期のみであるが、ハウスパイプの錆防止及び温度管理の省力化、果実への雨除け効果などを期待するなら、ハウスの構造は側面をネット、屋根をビニール張りにすると良い。
  2. 本剤の長門ユズキチに対する使用は、現在未登録であるので登録後に普及する。
図表1 210294-1.jpg
図表2 210294-2.jpg
図表3 210294-3.jpg
カテゴリ 温度管理 受粉 省力化 ゆず その他のかんきつ

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