オゾン水による水稲もみ枯細菌病およびトリコデルマ苗立枯病菌汚染種子の殺菌効果

タイトル オゾン水による水稲もみ枯細菌病およびトリコデルマ苗立枯病菌汚染種子の殺菌効果
担当機関 大阪府立農林技術センター
研究期間 1999~2000
研究担当者 岡田清嗣
瓦谷光男
草刈眞一
発行年度 1999
要約 水稲もみ枯細菌およびトリコデルマ属菌による苗立枯病に対する高濃度オゾン水(5ppm:15分間かけ流し処理)による種子消毒の効果について調査したところ、いずれも人工接種もみで発病が防止され、防除効果が認められる。
背景・ねらい  オゾンを溶解したオゾン水は、微生物に対して高い殺菌効果があり、かつ、短時間で水と酸素に分解することから環境への安全性も高い。薬剤による防除効果の劣る水稲もみ枯細菌病およびトリコデルマ属菌による苗立枯病の防除を目的に、高濃度オゾン水による殺菌効果を調査し、水稲種もみに対するオゾン殺菌の実用化を検討する。
成果の内容・特徴
  1. オゾン水は植物病原菌に対して高い殺菌効果を有し、1ppmの濃度でBurlholderia glumae 、Ralstonia solanacearum の菌体、Pythium aphanidermatum の遊走子を、3ppmでBotrytis cinerea 、Tricoderma viride の分生子を1分以内に殺菌できる(表1)。
  2. オゾン水中で減圧処理後、1ppmのオゾン水で15分間かけ流し処理することで、水稲種子表面の微生物数を104 cfu /g以下に、さらに、5ppmでは、105 個以上の密度を減少させることができる(図1)。
  3. 水稲トリコデルマ苗立枯病菌(種もみ接種)およびもみ枯細菌病の接種もみ(種もみ接種:減圧処理)を5ppmのオゾン水で15分間かけ流し処理したところ、いずれも発病が抑制される(図2)。
  4. オゾン水中で減圧処理し、5ppmのオゾン水を15分間かけ流し処理した水稲種子について、発芽に影響が認められない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. オゾン水のかけ流し処理によって接種種もみのもみ枯細菌病とトリコデルマ苗立枯病の防除効果の得られることが確認されたが、種子消毒への利用については、処理装置の検討が必要である。
  2. 処理にあたってはオゾンの環境基準に留意する必要がある。

図表1 210860-1.jpg
図表2 210860-2.jpg
図表3 210860-3.jpg
図表4 210860-4.jpg
カテゴリ 病害虫 種子消毒 水稲 立枯病 防除 もみ枯細菌病 薬剤

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