タイトル |
電照と保温処理によるカキ‘西条’の抑制栽培法 |
担当機関 |
島根県農業試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
持田圭介
倉橋孝夫
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発行年度 |
2000 |
要約 |
カキ‘西条’の施設栽培で、電照(蛍光灯を125灯/10a)と保温(最低気温12℃)を行うことによって、葉色の低下や落葉時期を遅くし、さらに、着色の進行を緩やかにして果実品質を維持しながら収穫時期を遅くできる。
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背景・ねらい |
カキ‘西条’の露地栽培の成熟期は10月上旬から11月中旬であり、この時期に収穫作業が集中する上に、単価の低下が著しい。そこで、収穫時期の分散を図り、高値時期に出荷するために、収穫時期を遅くする抑制栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- カキ‘西条’に電照する蛍光ランプの設置数を500~125灯/10a(樹冠表面照度670~100 Lux)に変えると、設置数が多いほど葉色の低下(図1)や落葉時期が遅くなり、着色の進行が緩やかになる(図2)。
- 光源は40W蛍光ランプ(125灯/10a程度)を、平棚栽培で棚上80cm位に設置する。電照は9~12月まで日長時間が16~17時間になるようにする。すなわち、深夜電力時間帯(23~8時)に5時間程度暗期中断または朝方電照を行えば低コストとなる。
- 収穫盛期は保温(最低気温12℃)のみ行うと露地栽培より20日程度遅い11月22日であるが、さらに電照を加えることによって30日程度遅くなる(表1)。
- 抑制栽培は露地栽培に比べて、光合成期間が長いため、1果重が重く、果実糖度も高くなり、果実品質が優れる(表1)。
- 1997~98年の平均単価は629円で露地栽培の2.4倍であり、粗収益に占める必要経費は 電気代が約3%、燃料費が12%、蛍光灯の設備費が4%である。
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成果の活用面・留意点 |
- ハウスの天井ビニル被覆を開花前の4月下旬~5月上旬に行い、果実の汚損を防ぐ。
- ハウスのサイドビニルの被覆は10月上旬に行い、最低気温が12℃以上となるように努める。
- サイドビニルを被覆してハウスを密閉すると果面が結露して汚損果が発生しやすくなるので、ハウス内にマルチを敷いて、相対湿度を下げる。
- 樹勢が弱いと抑制効果が低いので、施肥量はやや多めにする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
かき
栽培技術
施設栽培
出荷調整
施肥
低コスト
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