タイトル | 電極センサ式土壌簡易分析装置 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
後藤隆志 手島 司 市来秀之 清水一史 津賀幸之介 鷹尾宏之進 (株)堀場製作所 (株)コス |
発行年度 | 2003 |
要約 | カップに入れた生土に抽出試液を加えてかく拌し、上澄み液を吸引して硝酸態窒素、カリウム、pH、ECの測定を電極センサで行う装置である。1回の測定を約20分で行うことができ、慣行分析との相関係数は、0.87~0.96程度である。 |
キーワード | 土壌分析、簡易分析、硝酸態窒素、カリウム、pH、EC、精密農業 |
背景・ねらい | 慣行の土壌分析作業では、採取した土壌を風乾した後、粉砕・篩分け、抽出の工程を経てから分析を行う。そのため、土壌の採取から分析までに1週間以上かかるのが一般的で、追肥のための土壌診断など、迅速な分析が必要となる場合への対応が問題となっている。そこで、生土を供試し、短時間で簡易分析が可能な装置を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. カップに入れた生土50gに抽出試液280mlを加えてかく拌し、土粒子を沈殿させた後に上澄み液を吸引して、硝酸イオン、カリウムイオン、pH、EC、塩素イオン(硝酸態窒素測定の補正用)の濃度を水質測定用の電極センサで検出し、硝酸態窒素、カリウム、pH、ECの測定を同時に行う装置である(図1)。抽出試液には、純水に支持塩として硫酸アンモニウムを0.003mol/l添加したものを使用している。 2. 1サンプル当たりの測定を、約20分で行うことができる。 3. 抽出試液の注入、かく拌、上澄み液の吸引、測定、洗浄の各工程は、すべて自動化されており、作業者はサンプル土壌の混合・秤量などの付帯作業を併行して行うことができる。 4. 30箇所から採取した土壌(表)を、3段階に水分調製(風乾処理、無処理、純水加水処理)した試験での慣行分析値との相関係数は、硝酸態窒素が0.96、カリウムが0.87、pHが0.95、ECが0.87であり(図2)、現場における3段階(「低い」「適正」「高い」など)程度の診断に利用可能な精度を有している。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 迅速な土壌分析が必要な場合の簡易分析装置として活用できる。 2. 通常の測定では、1ほ場の対角線上の5箇所から採取した作土を混合し、50g秤量して供試することが望ましい。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 土壌診断 |