| タイトル |
熱帯雨林における二次林の改良 |
| 担当機関 |
森林総合研究所 |
| 研究期間 |
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| 研究担当者 |
生産技術部植生制御研究室 落合幸仁ブルネイ森林局 ロスリー
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| 発行年度 |
1992 |
| 背景・ねらい |
ボルネオ島の北西部に位置するブルネイは,近隣諸国に比較して森林に恵まれてはいるが,近年伐採などの利用が進むにつれて,質的な劣化を起こした森林が増えている。このような森林に郷土樹種を植え込み質的な向上を目指すことは,ブルネイだけではなく他の熱帯諸国でも緊急な課題である。そこで1985年から7年間実施されたJICA林業研究プロジェクトの重要課題の一つとして,フタバガキ科リュウノウジュ(Dryobalanops)属樹木2樹種を中心とした造林試験を行った。
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| 成果の内容・特徴 |
本試験で用いたDryobalanops aromaticaとDryobalanops lanceolataは現地名を,それぞれ,カプールプリンギ(Kapur Peringgi)及びカプールパジ(K. Paji)という。フタバガキ科に属するブルネイ全土の低地フタバガキ林で優占する有用樹種である。両樹種は標高とこれに応じた地形の違いによってはっきりと分布域が異なっている。すなわち,前者の天然分布は標高の比較的高い斜面上部の広い尾根上であり,後者のそれは前者より低い標高の斜面中部の急斜面上である(図1右)。前者は後者より乾燥しやすい地形上に分布しているといえる。 伐採によって質的に劣化した二次林内で,両者の天然分布する地形とほぼ同様の斜面上部と斜面中部にそれぞれ,20m×20m と10m×10m大きさで人工的なギャップを伐開し,両樹種を同時に植栽した(図1左)。両樹種の生存率は大きいギャップ内に植栽された稚樹のほうが低かった(図2)。これは,暗い林内に成育していた山引き苗を植栽したため,これらの稚樹が植栽初期に大きなギャップの環境に適応できなかったことが原因の一つと考えられる。また,樹高成長は大きいギャップほど大きかった(図3)。これは,大きいギャップ内の光や土壌水分などの環境が,稚樹の成長により適しているためと考えられる。また,斜面上部に天然分布する前者は斜面上部・中部ともほぼ同様の成長を示すが,斜面中部に分布する後者は斜面中部のみ良好な成長を示した(図3)。このように,両樹種の造林が成功するためには,比較的大きく伐開した造林地を,それぞれの樹種の特性を考慮した位置に設定したうえで植栽をする必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
乾燥
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