| タイトル |
林道からの距離別にみた森林施業の実態の解析 |
| 担当機関 |
森林総合研究所 |
| 研究期間 |
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| 研究担当者 |
北海道支所天然林管理研究室 白石 則彦
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| 発行年度 |
1993 |
| 背景・ねらい |
間伐・皆伐など伐採はもとより造林や保育作業においても,林道のコスト低減に果たす役割はきわめて大きい。林道から離れるほどあらゆる生産コストが増大することから,木材価格が低迷している今日,林道から遠い森林では近い森林に比べてさまざまな森林施業が一層停滞していることが推察される。ここでは,県庁で整備されている民有林の森林簿や補助事業など各種行政情報を利用し,林道からの距離階層別に森林施業の実態を実証的に解明しようと試みた。
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| 成果の内容・特徴 |
対象地は,岐阜県飛騨川森林計画区の2町村を選んだ。岐阜県は森林情報整備に最も力を注いでいる自治体の一つであり,森林簿には小班ごとに林道までの距離が5m単位で記入されている。今回は特に林道から比較的近い範囲を詳しくみるため,図に示すような距離階層に区分した。森林施業の実施状況は,対象面積に対する5年間の実行面積の割合で比較することとし,皆伐・間伐については伐採届けを,保育作業については補助事業のデータを利用した。まず人工林の皆伐では,図1に示す通り,林道からごく近い範囲内で実施割合が高かったが,それ以遠では急激に減少していた。萩原町では皆伐面積の8割が林道から200m以内で行れており,林道付近に集中する傾向が強かった。一方,間伐は林道からの距離に連動して実施割合が低下する傾向が明確に認められた(図2)。また間伐された林分の平均齢級は,林道から離れるほど大きくなる傾向にあり(図3),地利条件の悪い林分で採算に合わない若齢時の間伐が敬遠されていることが推察された。そして下刈り,雪起し,除伐の保育作業は,林道から1,000mを越える極端に遠い森林を除けば,距離にあまり関係なくほぼ一定の割合で実施されていた。こうした保育作業は補助事業で支援されており,また当該地域では森林組合の活動が活発で機関造林も多いことから,林道からの距離との関連が前2者ほど強くなかったと考えられる。以上の結果が示す通り,林道の効果はそれぞれの森林施業に応じて固有に現れることが明らかとなったが,これを基に生産基盤としての林道が効率的に整備されていくことが望まれる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
コスト
低コスト
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