東北地方におけるクマゲラの生息実態の解明

タイトル 東北地方におけるクマゲラの生息実態の解明
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 中村 充博
鈴木 祥悟
五十嵐 豊
中北 理
高橋 和規
由井 正敏
槙原 寛
発行年度 1994
背景・ねらい 国の天然記念物である大型キツツキの仲間のクマゲラは、東北地方ではその生息がブナ林に限定され、しかも生息数が極めて少ない。クマゲラはブナ林の環境保全の指標的存在と目されており、その保護のための森林の取り扱い法の確立は緊急の課題である。その前提としてまず生息実態の解明を図るため、生息環境、生活痕の特徴等を明らかにする。
成果の内容・特徴 東北地方における1990年以降のクマゲラの繁殖地は、青森県の中村川二股、中村川トラノ沢、尾太岳、白神奥赤石川、南八甲田と秋田県の森吉山の6か所であった。しかし、すべての繁殖地で毎年の繁殖が確認されなかったため、生息の動向は不安定であると考えられる。東北地方のクマゲラ営巣木の特徴(表1)から、巣穴の大きさは縦径が平均15.2cm、横径が平均9.5cmの楕円形であり、巣穴の最低の大きさは縦径12cm、横径8cmであった。南八甲田においてクマゲラ穴痕跡木(縦径12cm、縦径8cm以上ある楕円形の穴のある木)は、すべて広葉樹であった(表2)。食痕木は、広葉樹ではすべて枯れ木で、針葉樹ではすべてムネアカオオアリのコロニーのある生立木であった(表3)。目撃や声の地点から南八甲田の行動圏の面積を推定するとメッシュ法では約1,400ha、最小面積法では約l,800haであった。他の地域では北海道の混交林で300~500ha、青森県尾太岳のブナ林で約1,000ha、秋田県森吉山のブナ林で約1,000haという報告がある。

南八甲田の営巣木を中心に2kmの円内の樹林等の面積比率を分析したところ、広葉樹62%、針葉樹人工林21.3%、その他16.7%であった。尾太岳と森吉山の同様の分析では、尾太岳で広葉樹天然林58.9%、広葉樹二次林4.8%、広葉樹施業区域32.3%、針葉樹人工林4.1%、森吉山で広葉樹天然林76.2%、広葉樹二次林4.2%、広葉樹施業区域15.1%、針葉樹人工林4.5%であり、南八甲田より広葉樹林の割合が高く、針葉樹林の割合が低い傾向がみられた。また、クマゲラの餌であるムネアカオオアリのコロニー木の密度調査では、北海道の羊ケ丘トドマツ天然林でhaあたり75本に対して南八甲田のブナ林でhaあたり8~13本と少なかった。これらの植生や餌木の密度の違いが南八甲田の行動圏が他の地域よりも大きな面積を必要とする一因であると考えられる。
図表1 212383-1.gif
図表2 212383-2.gif
図表3 212383-3.gif
図表4 212383-4.png
図表5 212383-5.png
図表6 212383-6.png
カテゴリ 繁殖性改善

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