さまざまな森林土壌からの温室効果ガスの放出・吸収量を調べる方法

タイトル さまざまな森林土壌からの温室効果ガスの放出・吸収量を調べる方法
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 阪田 匡司
森下 智陽
高橋 正通
石塚 成宏
発行年度 2004
要約 様々な場所の森林土壌から温室効果ガスであるメタンや亜酸化窒素の放出・吸収量を同一基準で比較的簡便に測定できる方法を開発しました。
背景・ねらい 森林が関与する温室効果ガスとして、二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素があります。二酸化炭素は植物の光合成によって吸収されるだけでなく、根の呼吸や有機物の分解などによって土壌から多量に放出されます。また、メタンと亜酸化窒素はほとんど全てが土壌中の微生物などの反応により、放出・吸収されています。そのため、どのような森林がどのくらい温室効果ガスを放出・吸収するかを明らかにするためには、さまざまな森林において土壌からの温室効果ガスの放出・吸収量を知る必要があります。しかし、それらの放出・吸収量は正確に把握されておらず、特にメタン・亜酸化窒素については、測定例自体が非常に少ないのが現状です。そこで、遠隔地にある森林でも比較的簡便かつ安価に土壌からの温室効果ガスの放出・吸収量を測定できる方法の開発を試みました。
成果の内容・特徴

さまざまな森林に適用できる測定方法の開発

人里離れた遠隔地のさまざまな森林で温室効果ガスの吸収・放出量を観測するためには、できるだけ簡単な装置で行う必要があります。そのため、本法では複雑な装置を必要とせず比較的簡便に測定できる密閉静置チャンバー法を採用しました。
できるだけ多くの森林に適用でき、かつ精度良く測定できるよう、調査・分析条件を検討し、観測時間(0~40分)、採取ガス量(40mL)、チャンバーの大きさ(内径40cm)や材質などを選定しました。大気や森林土壌中のメタン・亜酸化窒素の濃度は低く、その放出・吸収量も小さいため、ガスの採取・保存・運搬に細心の注意が必要であることから、保存性や耐久性などの確認をおこない、信頼性の高い容器(真空バイアルおよびブチルゴム栓)を用いました。さらに試験地の設定や機材の設置・操作方法、採取したガスの運搬・分析・再調整方法などの一連の手法を確立しました(図1、図2)。

本方法の利点

この方法は装置の設置が容易で低価格であり、電源のない遠隔地でも適用できるため、多数の地点での測定が可能です。現在、全国50試験地でこの方法を用い、森林土壌からの温室効果ガスの放出・吸収量の実態調査をおこなうとともに、伐採や間伐などの森林施業が放出・吸収量におよぼす影響を調べています(図3)。

本研究は、農林水産省先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「森林・林業・木材産業分野における温暖化防止機能の計測・評価手法の開発」による成果です。

詳しくは:阪田匡司・石塚成宏・高橋正通(2004)森林総合研究所研究報告 3(3):259-265 をご覧ください。
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