常緑広葉樹林における種子-実生期の樹種特性と生存規制要因

タイトル 常緑広葉樹林における種子-実生期の樹種特性と生存規制要因
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 西山 嘉彦
大貫 靖浩
稲垣 昌宏
佐藤 保
小南 陽亮
新山 馨
斉藤 哲
発行年度 1995
背景・ねらい 樹木にとって実生期は環境の影響を受けやすく、最も生存率が減少する時期である。そこで常緑広葉樹林の主要構成樹種である常緑カシ類について、実生の定着にかかわる樹種特性を検討した。また、常緑広葉樹林における実生の定着を阻害する非生物的要因、及びそれら阻害因子の発生場所と微地形との対応関係を明らかにした。
成果の内容・特徴 アラカシ、アカガシ、イチイガシ堅果に低温処理を行い、果皮を除去して発芽試験を行った後、25℃の暗所で初期成長を比較した。イチイガシはアラカシ、アカガシに比べて幼芽の伸張開始に必要な時間が長く、主軸の伸張速度も低かった。さらにイチイガシは暗所では葉を展開しなかった。アカガシは低温処理を受けないと果皮を除去しても完全には発芽せず、発芽した個体も成長が抑えられた。自然乾燥で堅果の乾燥回避性を比較した結果は、アラカシ、シラカシが比較的高く、アカガシ、イチイガシは低かった。特にイチイガシは極めて低く急速に脱水し発芽力を失った(図1)。発芽力を維持するのに必要な最低の含水率は、アラカシ、シラカシ、アカガシ、イチイガシがそれぞれ36%、37%、40%、40%と推定され、乾燥回避性の高い樹種の堅果は乾燥耐性も高い傾向がみられた。
微地形単位ごとに表層土壌の堆積・侵食量を集計したところ、全体的には谷頭急斜面と谷頭凹地で侵食が進んでいるのに対し、その他の微地形単位では土壌の移動は比較的少ない傾向がみられた。1993年9月の台風により樹冠部の破損が生じ、特に落葉広葉樹でそれ以降の死亡率が減少する傾向が認められた。落葉広葉樹では光環境の善し悪しが死亡率に強い影響を与えているものと考えられる。カラスザンショウの実生の発生・死亡数を図2に、タブノキの実生の発生・死亡数を図3にそれぞれ示す。斜め縞の部分がギャップである。カラスザンショウは主にギャップの分布域で発生・死亡しており、光環境が生存規制要因となっていると考えられた。これに対しタブノキは谷頭凹地を中心に発生・消失しており、光環境よりも水分条件や土砂の移動が主要な生存規制要因であると考えられた。
図表1 212415-1.gif
図表2 212415-2.gif
図表3 212415-3.gif
図表4 212415-4.png
図表5 212415-5.png
図表6 212415-6.png
カテゴリ 乾燥

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