| タイトル |
アカシア類の高塩環境に対する生理的適応機構の解明 |
| 担当機関 |
森林総合研究所 |
| 研究期間 |
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| 研究担当者 |
横田 智
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| 発行年度 |
1996 |
| 背景・ねらい |
塩ストレスは植物の生育に重大な影響を与える環境要因である。高塩環境に生きる植物は、様々な耐塩性のメカニズムを駆使して生活している。浸透圧調節物質の蓄積もそうしたメカニズムの一つである。浸透圧調節物質とは分子量が小さく、生理的に不活性な特定の生体内分子の総称である。高塩環境に生育する植物は、浸透圧調節物質を細胞内に蓄積し、浸透圧を維持することで水分を確保している。アミノ酸の一種であるプロリンは代表的な浸透圧調節物質である。本研究では、オーストラリアやアフリカに分布し、乾燥に強いアカシアを使い塩ストレスと成長及びプロリン蓄積との関係を調べた。
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| 成果の内容・特徴 |
- 苗木の成長に対する塩ストレスの影響
2種類のアカシアに対して水耕栽培の水耕液に塩化ナトリウムを添加して、苗木の成長に対する影響を調べた(図1)。両種とも塩濃度の増加と期間の延長に伴って成長と生存率が低下した。しかしながら、被害の程度は両種間で異なることが示された。6週間後の2%塩処理区ではAcacia holosericeaの生存率は0%であるのに対して、A. amplicepsの生存率は100%であった。これらの結果をもとに、A. amplicepsはA. holosericeaよりも耐塩性が強いと判定した。 - 塩ストレス時に生じるプロリンの蓄積
塩ストレスによってアカシアの葉に生じるプロリンの蓄積を図2に示した。塩処理の1日後からプロリンの増加が始まり、その後も増加を続け数日間でピークに達した。しかし、その後は減少に転じ対照区の数倍のレベルまで低下した。また、塩濃度の上昇に伴ってプロリンの量も増加する傾向がみられた。こうした変化は両種に共通した現象であった。しかしながら、高塩ストレスに対する反応には両種間で違いもあった。A. holosericeaでは1.5-2.0%塩処理区で著しいプロリンの蓄積がみられたのに対して、A. amplicepsでは2.5%塩処理区以外では著しいプロリンの蓄積は起きなかった。このように、耐塩性の低いA. holosericea.方が、A. amplicepsよりも低濃度の塩処理区で大量のプロリンを蓄積することが示された。さらに、プロリンの絶対量についてみるとA. holosericeaの方が多く、ピーク時にはA. amplicepsの2倍強に達していた。これらの結果は、プロリンの蓄積が塩ストレスと密接な関係にあることを示しているが、耐塩性の強弱との関係には不明な点を残した。この点を含めプロリンの機能面については、引き続き今後の研究の中で解明していきたい。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
乾燥
水耕栽培
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