| タイトル | 林床における有効放射量の観測とそれに基づいた蒸発量の推定 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
玉井 幸治 荒木 誠 小林 政広 溝口 康子 |
| 発行年度 | 1996 |
| 背景・ねらい | 林床面蒸発量は熱収支の一項目であり、林内における温度や湿度の決定に大きく関与している。一方で林床面蒸発量は水収支の一項目でもあり、落葉層の含水率を通して林野火災の発生危険度の指標にもなりうる。しかし林床面蒸発量に関する研究はほとんど行われていない。そこで、この研究では林床面蒸発量を支配する主因の一つである林床面における有効放射量を測定し、それに基づいて林床面蒸発量と落葉層の含水率の季節変化を計算した。 |
| 成果の内容・特徴 | 観測を行った森林は京都市左京区大文字山の混交林で、森林を構成している樹種の胸高断面積合計は、常緑樹が15.82m2/ha、針葉樹が12.46m2/haとほぼ同程度であった(表1)。 観測を行った期間はl994年9月~1995年8月で、落葉樹は11月後半から4月にかけて落葉した。平均的に閉鎖している林冠下の、林床から約10cmの高さに日射計、反射計、純放射計を、深さ3cmに地中熱流計を設置した。これら測定値の収支が有効放射量(Re)である。 日中におけるReは2~5月にかけて特に多かった。また9月~11月前半にかけては日中と夜間におけるReはほぼ等しかった(図1)。 Reを構成する純短波放射量、純長波放射量、地中熱流量を、日中と夜間のそれぞれについて図2に示した。それによると日中の純短波放射量は3~4月にかけて極めて多くなること、日中の長波放射量は着葉期には下向きの方が多く、落葉期には上向きの方が多くなること、夜間の長波放射量は、逆に着葉期には上向きの方が多くなること、地中熱流量が夜間に地中深部へ向かって流れ、日中に地中深部から林床面に向かって流れる場合もあるなど、林床面特有の現象が明らかになった。上の観測で得られた有効放射量と湿度のデータ及び観測林分に近い京都地方気象台による降水量のデータを用いて、林床面蒸発量の推定を行った。 その結果林床面蒸発量は、年問で約39mmと算定された。これは期間中における降水量1395mmの約3%に相当した。広葉樹落葉層の含水率が20%以上の場合には容易に燃焼しないともいわれているが、落葉層の月別最低含水率が20%前後にまで低下したのは1~4月であった。これは、京阪神において林野火災の発生件数の多い時期と一致している。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| カテゴリ |
| ブドウハモグリダニによるブドウえそ果病の伝搬 |
| ビタミンE、タウリン強化鶏肉の生産技術 |
| 長伐期林へ誘導するための間伐の指針づくり |